第6回光赤天連SPICA タスクフォース議事録 日時: 2009年6月26日(金) 13:00-15:30 場所 : 宇宙研 研究管理棟 6階 1606号室      国立天文台三鷹すばる棟2F会議室 岡山、愛媛大学、東京大学本郷(TV会議) 参加者:   ISAS: 土井、松原、白籏、塩谷、中川、大坪、小谷、片坐、松本 東北: 市川 愛媛: 斎藤 三鷹: 今西、川良、田村、山下 岡山: 泉浦 本郷: 小山、尾中、左近、河野(途中まで) 大阪: 深川 1. Science Workshop @ Oxford(7/6-8)での発表内容について == MIRMES (左近、片ざ) ・MIRMESの感度計算、saturationの計算を行った。MIRACLEとある程度同じ仮定で計算。 ・視野は長い波長で5pixel、IRSより20倍感度が高い、分解能1000程度。 Q: 見積りはoptimisticなのか? A: もっとらしいか、やや悪めの見積りである。 Q: 見積りは従来の計算とconsistentなのか? A: 以前は検出器の感度をoptimisticに仮定していたので、今回の見積りの方が現実的である。 C: 誰かに検算してもらうと良いかもしれない。 == MIRACLE (和田) 本郷WSとの違いは ・感度計算の簡単なリスト、Narrow-band filter, Line sensitivityの感度計算を付け加えた。 ・光学設計の図を付け加えた。 ・光学系の設計は解が得られそうである。今はリレー光学系を組んだだけで、前置・後置光学系の設計はまだ。 Q: レンズ系の場合の瞳サイズは? A: 今はレンズ系の再計算はしてないのでよくわからないが、昔の図を見ると20mmぐらい。ミラー系のほうは confidentialな系では瞳径50mmで、32mmにできるかもしれない。 C: Oxfordではどちらか一つの案のほうがよい。 A: レンズ系にするなら波長は限られる。  Q: Oxfordまでに現実的な解として一つ出せないか? A: Oxfordまでというのは無理。Oxfordの発表ではレンズ系はなしということにする。 C: 瞳径50mmはかなり大きい。この案でも「できた」という印象を与えるだろうか? == コロナグラフ(塩谷) 本郷ワークショップの発表に、フィルターリスト・光学系のRay traceの図を付け加えたものになる。 C: コロナグラフはヨーロッパ側に非常に多くのリソースを要求するが、そのための説得には成功していない。 細かいことはいいから、SPICAコロナグラフの売りを明確に示す必要あり。 C: Oxfordで与えた印象でその後のESAの対応が変わるかもしれない。 == 惑星系形成 (田村) ・過去のスライドを元にまとめる。ダストなどの物質循環は尾中さんにまかせ、惑星系形成だけの話にする。 == 惑星transit(山下) ・本郷WSをベースにした発表。Saturation limitなどの現実的な見積りを付け加えた。 ・地球型惑星のTransit観測についても、もしかしたら可能かもしれない。もう少し確実にできることも付け加える予定。 == 物質循環(尾中) 本郷WSの発表を短くしたものにする。4つのテーマのうちどれかに絞って話す予定。どれに絞るかは相談したい。 C: ヨーロッパが把握していることよりも、オリジナルなことを発表してほしい。 A: そもそもオリジナルな内容がほとんどである。 Q: 泉浦さんのものが入ってないけど良いか? 一言入れてほしい。 C: 6つのテーマを並べて話して、そのうちひとつについて加える。 == 銀河形成進化 (松原): ・遠赤外線観測の話 ・High-redshit銀河を遠赤外線で検出する可能性を相談した。クラスターによるレンズ効果で増光するものを受ける。 ・yellow bookに直接書いてほしいという依頼がある ・水素分子輝線、high-redshit銀河、PAHの7.7ミクロン放射の検出ができそうである。 C: ざっとしかしゃべれないが、絵を一つみせようと思う。 == 市川 ・SPICAタスクフォースのactivitiyを紹介する。 ・日本のコミュニティはSPICAに対してどんなサポートをしているのか説明し、日本が一丸となって応援していると いう印象を与えるような発表にしたい。 ・銀河形成進化についてのレビューをざっと紹介する。気になっているのは検出限界。Reionizationの話について は、その時代の何を明らかにできるのかがはっきりしない。 C:High-redshift観測のミッション要求をかなり大きく書き換えた。ただ、まとまりが悪いという感がある。 Q:Oxfordでは、可能性としてのサイエンスを出すのか、Fixしたプロジェクトを出すのか? A:OxfordはYellow bookのサイエンス部分を固めるのが目的。可能性の話を全て排除するのはもったいない。 C:基本的にはSPICAならではサイエンスを書くべきである。 *Objective 2 (白旗) ・遠赤外線deep surceyの発表をする。遠赤外backgroundの絶対値を決めるのに、バッフルやシャッター、キャ リブレーションランプが必要。装置に対する要望を入れることはできるか? Q:それを入れるのは難しいのか? A:装置はrobustだが重量は増える。Akariにはcold shutterあり。filter wheelによるシャッターでもいいのでは? 装置に対するrequirementを出すのも重要である。 *Objective 3: (小山) 本郷WSをベースにした発表を行う。 Q:環境効果とは? A:銀河は遠方だとガスが多い。理由はよくわからない。SPICAで明らかにする。 Q:zはどのくらいか? A:まずは1ぐらいを確実にやる。できれば1-2あたりもやりたい。 C:あかりでz~1をやってる。SPICAではz~3までできるかもしれない。 C:z~3まではぜひやりたい。クラスターができ始める重要な時期であり、ぜひ計算をしてほしい。  *Objective 4: Super-Massive Black-Hole growth histry (秋山) Q:AGNとブラックホールの成長は、どんなインパクトがあるのかよくわからない。 A:stellar massとAGNの関係を、z=3で調べる。Hot dustがredshitしたのを見つける。これにはMIRACLEが活躍す るはず。無バイアスで広い領域をやらないと見つからないだろう。サーベイ能力としてはconfusion limitで、 spitzerが24umでやっていたことをより効率的にできる。早いスピードで視野を動かせれば(視野2分)、相当な 感度で50~100平方度を観測できる。SAFARIの2次元検出器が適しているだろう。 Q:ヨーロッパがSAFARIで行う銀河研究のレポートはあるのか? A:もうすぐ出るだろう。現在はcosmic visionに出ているものが唯一の公式なもの。conferenceで何人か話すだろ う。SAFARI:Slow scan 検出器100Hz以上がrequirement。15Hzは余裕だろう C:コロナグラフをどの程度の印象を与えるかというのが重要だが、一言でこれができるというのを言いたい。  C:装置としてはrobustであるというのを示したい。サイエンスはチャレンジングでも良い。ヨーロッパ側には、 See-coastなどとの競合をやめてまでSPICAを選択させなければならない。  2. MRD・研究コンセプトの改訂版の進捗について ==銀河形成進化(松原、和田) ・大きく変わったのは系外銀河の部分。Objective 1はまだ五月雨的な感じがある。 ・ダストバンドを持つ銀河は宇宙にたくさんある(z~2)。z~10はSAFARIなら受かる。そういう天体を探すべきだろ う。王道サイエンスにはまだなっていない。  ・ミッション要求書はそろそろ完成させなければいけない。 ・水素分子の17micron純回転輝線がredshitしたもの、z~7までいける(MIRACLE,MIRMES)。この2つはフルサク セスで大丈夫だろう。  ・H-alpha emitterについては、新しいemitterを見つけることができるかもしれないが、SPICAで何ができるかは まだ明らかではないため、エキストラサクセスにした。 ・さらにチャレンジングなサイエンスについて。GRBからの可視光はダストで吸収されるが、遠赤外線では明る い。何かわかるのでは?  *Objective 2,3については変更していない *Objective 4 ・具体的な観測計画を考えてみた。それぞれ100時間ずつで何天体できるかを書いてみた。皆さんも具体的な 観測計画を考えてほしい。  *Objective 5 ・Narrow-band filterでサーベイを行う。 Q: 最初から分光サーベイする方がいいのでは? A: Narrow-bandでやるためにはcontinuumで観測する必要がある。 C: 中帯域フィルターではスリットレスで分光を行うことを検討中。 ==物質循環(左近) 前回からの改善点は、6項目に泉浦さんの内容を付け加えた。もう少しreviseを加えたい。 ==惑星形成(田村) ・レガシープログラムを作る時間がない。とりあえず皆さんにもらったものをただ載せてる。  ・SPICAの特徴としては長い波長での分光であり、JWSTにはこれがない。 C:惑星形成のMRDは淡白過ぎる。もっと絵などをいれるべき。 A:肉付けを行った。 *Onjective 3: Debris disk 太陽系レベルのデブリ円盤まで検出できるか?SAFARIでは、構造を分解しないと無理だろう。近傍の星のZodiacal light、カイバーベルトは分解できる。フラックス1%レベル@60um。なんとかできるのではないだろうか。太陽系 レベルはぎりぎり検出できるかもしれない。またデブリの分布を調べることで、惑星のいる場所がおおまかにわか るかもしれない。  *Objective 4 あまり変わっていない。 *Objective 5 太陽系内天体(大坪) 観測時間を計算し直し、具体的な観測計画を出した。 C: SRRにはMRDを決めて出さないといけない。7月の末がマイルストーンであり、時間がない。レガシーサイエンス を考えてもらっている理由は、ミッションライフは3年であり、観測できるのは2年間しかないということから。 パラレルモードはやらない。サイエンス間のバランスを考え、どこまでをフルサクセスにするかよく考える。 なんとなく1項目あたり15日ぐらいではないか? Q:観測装置がたくさんあり、観測時間が細切れになる。装置を減らせということにならないか? ヨーロッパが観 測時間をたくさんよこせということにはならないか? A:観測時間もリソースの一つである。GT(garantteed time)はお金に換算した割合になる。 3. 研究コンセプト/Science Operation(ESA) (中川) ・日本側にミッションセンターができることになる。ヨーロッパ側にも作る。 ヨーロッパ側はハーシェルのリソースを活用したい。 ・望遠鏡deliveryは2016年の3rd quatorになる。かなり遅れることになる。 4. FPI仕様決定プロセス検討小委員会の立ち上げ(松原) ・観測装置の仕様を決定するプロセスを議論する委員会であり、コアプロジェクト・タスクフォースから人を出す。 立ち上げを決定した。 5. 今後の活動計画、次回のアレンジ、など。 次回の目的は、SRRに向けてMDRをどのようにまとめるかの集約する。割り振りを行い、7月いっぱいぐらいでMDR をまとめたい。Oxfordのあとで完成させる。