第8回光赤天連SPICA タスクフォース議事録 日時: 2009年10月2日 13時30分-16時 場所: 宇宙研 研究管理棟 6階 1606号室 東大天文学教育研究センター、岡山観測所、東北大、台湾ASIAA 参加者: ISAS 川良、今西、齋藤、土井、大坪、和田、中川、 松原、塩谷、白旗、高木、かたざ、小谷、大藪 東北 市川 三鷹 河野、山下、渡部、今西、山下 台湾 高見 岡山 泉浦 1. フェアリング・口径問題 現状の設計のベースラインは口径3.5m(ロケット/フェアリングとしてH-IIB/5S-H) であるが、コスト削減案として口径縮小案(ロケット/フェアリングとしてH-IIA/5 S)の設計検討を始めることになった。H-IIB/5S-Hでは、システムが成立する解が現 在あるが、H-IIBでは、SPICAのコストおよび実現性へ大きなインパクトを与える。 ・2009年12月初旬からSRR開始。 Q. 開始というのはどういう意味か? A. 正確にはわからないが、審査は1-2ヶ月かけて行われる。2010年に予定されて いるSDRよりは短い。SDRでは審査がより長期に行われる。 ・コミュニティからの意見 C. STFの議事録の公開は行っているが、光赤外コミュニティへ、なかなか内情 や様子が伝わらないようだ。資料は公開できないか。 A. STFに出ている資料は、ほとんどが公開できると考えられるので、できるだけ 公開したい。 C. 説明する機会も増やすべきだろう。 C. 議事録を要約すべきか? しかし微妙な言い回しとかをきちんと伝えられない ので、簡単ではない。 C. 次の光天連シンポでSPICAの時間をとる。そこで説明したい。また来年 2010年6月頃にSTFと共催とシンポジウムを開きたい。 C. 2010年秋にはSDRも始まるし、シンポジウムを早くやってフィードバック を受けるべきか、遅くしてある程度仕様を確定させてその中で検討してもら うのかは難しい所だ。 ・口径縮小のサイエンスの影響 3.5->3mになると集光力が1.4倍悪化。単純計算ではなく、科学目標・成功基準 を見直す必要がある。 Q. 分光の時のコンフュージョンはどうなるのか? A. 分光すると、赤方偏移方向の分離が可能となるので、撮像観測のコンフュージョ ン限界より1-2桁深く行くと考えている。 C. 日本の竹内モデルに比べて、一部の波長で低めに出ているヨーロッパ側 のコンフュージョン限界を採用している。この不定性もサイエンスへの影響を 考えるべきだ。口径へのインパクトと同等に思える。 C. 見積もりへの幅を書くべきだろう。First Look Survey的な観測で決着もつけら れる。 C. 幸いJWSTが先に上がるので、その結果を見てフィードバックをかけることはでき るだろう。 C. ヨーロッパ側のコンフュージョン限界の情報を入手して欲しい。竹内さんにも 見てもらおう。 Q. 口径が小さくなることでの空間分解能への要求は? A. ミッション要求書には明らかな要求はないように見える。 C. 口径問題の議論には注意が必要だろう。明るい物だけをやるというのな ら、最初から小さくていいのではいいのではないかという議論になり得る。 C. 到達限界が浅くなる。例えば、Spitzerが見つけた興味深い天体の高赤方偏移での サイエンス可能性が小さくなる。 C. 小さな望遠鏡の後追いのような言い回しではなく、大問題への回答するようなお 題目がいる。JWSTのビルディングブロックを発見・解明すると言ってい るようなものが。そうでないとずるずる小さくなる。 C. 確かにSPICAのキャッチフレーズを決めると言う問題は、前々から宿題になって いる。 C. ご指摘通りに、ずるずる小さくならないようにする科学目標を、掲げる必要があ るだろう。 C. SPICAは失敗すると、その後の光赤外分野に大打撃を与えることになる。 是非コミュニティ全体としてこの認識を持ちたい。 ・10月の光天連シンポ C. いろんな方向から説明をしよう。できるだけ多くのプロジェクト側の人 間も参加するべきだ。プロジェクトを進める難しさを、コミュニティー側にも 伝える必要があるだろう。 C. TMTとSPICAのシナジーの話をする必要がある。 C. 内部からの説明をプリプロジェクト側から行いたいと思う。 2. ミッション要求書の改訂 ・Missionの目的と問題点(口径3m死守を明確にしたい。) 系外銀河の項 Objective 1: 発見を目指しているので、少し結果が曖昧。またTMTやJWSTと のシナジーにも触れたい。 Objective 3: Yellow Bookとの整合性が悪い。トピックが絞られすぎていて、 一般性がなくなっている。 Objective 4: 発見のポテンシャルという観点が抜けている。 Objective 5: JWSTとの棲み分けがまだできていない。広視野サーベイの観点も 抜けている。 すべてのテーマで、3mになったときの問題も洗い出す必要がある。 Q. SRRへの提出書類だと思うが、サイエンス部分が英語で書かれているのでい いか。 A. OKだとおもう。ここは科学者が読む。Mission 要求の所は日本語と併記する。 物質輪廻の項 口径の影響は小さいが、解像度を著しく落とすとHSOに対してgainがなくなると いう点を追記して欲しい。 Objective 1-2: モニター観測に対するインパクトがあるかもしれない。観測機 会が減るかもしれないが、そこは大丈夫かチェックして欲しい。 Objective 6: FPC-Sを使うと言うことがオプション扱いであるが明示されてい る。観測時間は、3mになると時間がかかる。 系外惑星、太陽系の項 Yellow Bookとも整合性は取れている。3.5m->3mの所はこれから検討する。 Q. 3.5m->3mの書き換えは、いつまでに?レビューはいつまでに。 A. 次回までには改訂A版を完成させたい。現状版をSTFの担当の方々に是非 レビューをして頂きたい ・Mission要求 SPICAのコア波長の長い側、200ミクロン->210ミクロンに直すところがいくつか ある。 口径 "多くの科学目標は、3m以上が必要である。(2.5m未満では、ほとんどの科学目 標が達成不可能である)"という記載になっている。(コロナグラフは例外) 感度 Q. 1-2時間という表記は、どれぐらいの意味がある? A. 深い意味はない。"1時間程度"とする。 C. 3.5mのコンフュージョンを書いた方がいいだろう。 視野 Q. 中間赤外線カメラの最小視野が5'x5'でいいのか A. 元々5'x5'で検討を始めたが、6'x6'ができてしまったので、現在はそうして いる。重さへの要求が厳しい場合は、5'x5'とすることもできると考えている C. Image Slicerへの要求が明確でない。コロナグラフの望遠鏡への要求も 重要だと思うので、ここに書き込みたい。 3. 焦点面観測装置の仕様決定のプロセス 市川委員長から、国内主導の焦点面観測装置の募集の文案が出され、それにつ いて様々な意見が出されたが、時間切れで、「小委員会」で議論をつめること になった