第9回光赤天連SPICA タスクフォース議事録 日時: 2009年11月27日 13時30分-16時00分 場所: 宇宙研 研究管理棟 6階 1606号室 国立天文台三鷹、東大本郷、台湾ASIAA 参加者: ISAS: 斉藤,今西、泉浦、市川、左近、土井、川良、片坐、松原、大坪、 塩谷、白旗、小谷、中川 三鷹: 山下 台湾: 高見 東大: 尾中、渡部 議題と議論: 1. ミッション要求書(MRD)改訂第二版の確定 ・改定点の説明(松原)とそれについての質疑応答を行った: [ 2.2章 ] Objective-#1 (高赤方偏移ULIRG)  ・10^10Lsunという光度は7.7um PAHのみの光度で、存在するならz ~ 10での ULIRGが検出可能  ・科学目標から、ガンマ線バーストで暖められた塵放射の検出の記述を削除。 Objective-#2 (宇宙赤外線背景放射)  ・Objective-#1との関連を明記。  ・SAFARIで低分散分光イメージ取得ができることを強調。  ・図で2.2-3の英語の脱字、キャプションの欠落を修正すること。 Objective-#3 (Metallicityのz進化)  ・本文:Metallicityに入る前に概要的な段落を追加し、PAH,H2,ダスト放射の   ことに触れる。 Objective-#4 (塵に埋もれたAGNと銀河の共進化)  ・すでにSpitzerとかで見つかっているが、暗すぎて分光できていない天体   をSPICAで分光するという記述になっているが、SPICA+SFARIのblank field   surveyで新しく見つかるであろう天体の分光の可能性についての記述も付   け加えた。  ・図2.2-6のキャプション、最後のPAH Emission の前のピリオドをカンマにし、 カンマの後に`without detectable'を追加。 Objective-#5 (銀河の星生成史、質量アセンブリ)  ・銀河団領域の観測の記述が中心になっているが、比較対象となる   Blank fieldサーベイについても加筆。 Q. 10^6 Mpc^3をカバーするとあるが、Cosmic Varianceの影響を抑える   には、一般には10^7 Mpc^3が必要では? A. その通りだが、エクストラサクセスレベルで10^7 Mpc^3を達成したい、   という記述になっている。 [ 2.3章 & 3.2.2節(物質輪廻) p.60 ] ・望遠鏡口径に対する要求   口径が小さくなっても、SPICAの感度はHerschelに比べて格段によいが、   空間構造も調べる必要があるので、口径3mクラスはぜひとも必要、と   記述した。 [ 2.4章 ] Objective-#3 (Debris Disk) ・SAFARI+コロナグラフについて「あればうれしい」と書かれている。 --> 可能性はまだあるので記述はこのままにする。 (SAFARIチームとの議論の際に提案する)   SAFARI検出器のdynamic rangeが2000程度あるなら、コロナグラフ   はなくてもよい。  Q. Debris Diskと、直前の原始星周囲のガスディスクは全く異なるものである。   説明不足ではないか? A. 誤解されないように改良する。 Objective-#5 (太陽系移動天体)  ・所謂コンヒュージョン限界の1/100の明るさの天体を検出する話しだが、   移動天体なので、S/Nが良ければ検出できるだろう。 Q. MRDでは50uJyになっているが、50uJyでも目的は達成できるのか? A. 多少観測できる天体の数は減るが、大丈夫だろう。 Q. 1時間積分を仮定しているが、トラッキングは大丈夫か? A. 1時間程度なら問題ない。  ・誤字脱字も少し残っており、来週いっぱいまでに改訂。 ・MRDをジャーナルに出版すべきではないか?(片坐)  今後装置論文で引用するために、MRDを引用できる形にする必要性がある。  --> 議論の結果、前向きに検討する。PASJが良いが、ふさわしくないと    断られるかも。    SAFARIのプロポーザルを出したExperimental Astronomyがよい?    (Astro-phはすぐに出せる) ・ESA Yellow Book との整合性(Public Presentation用PPTについて)  ・12月のパリでの、Cosmic Vision Down Selectionでのプレゼン資料について   て議論した。多くの科学テーマが書かれていて力作であるが、SPICAでどの   ようなパラダイムシフトがもたらされるかをまとめた一枚のサマリーが必   要。コメントする。ダストが作り出す宇宙の化学進化がキーワード?  ・2ページ目以降、NAOJのロゴが抜けている --> 修正 Q. 資料4 Cosmic Visionの中ではロケットはHIIBとなっているが? A. Cosmic Vision はHIIBでいく。ノミナル案である。 2. 報告 ・プリプロジェクト進歩報告(中川)  ・HII-A+5Sフェアリング対応の望遠鏡光学パラメータの検討。  ・F値を極端に小さくすれば、口径3.5mでも実現できるが、一定期間内に   主鏡を磨かなければならないという制約がある。#2-8案(物理口径3.1m)   が良さそうで検討のベースラインとする方針。ただし衛星全体を考えると、 まだ成立していない。 3. 焦点面観測装置の仕様決定プロセス  ・FPIコアメンバー&中川さんで募集文案を改訂し、それについて議論した。   以下のように、誤解されるかも知れない一部の表現を改訂する: ★審査基準 MRDとの整合性が重要。 装置のユニークさよりは、実現見通しが重要。 ★レガシーサイエンス   ・提案チーム(装置開発者+サイエンスチーム)が実施することをここでは    期待。データ占有期間はない?(TBD)。具体的にどう立ち上げるか、    今後の検討課題とする。   ・提案する装置が中心となるサイエンスを提案する。つまりSAFARI中心の    レガシーサイエンスを出したい人は今回は該当しない。   ・今のままだと、チームに入らないとレガシーサイエンスをできないという    排他的な印象を与えるので文章を修正。 ★募集   ・参考情報に遠赤外線装置SAFARI、BLISSの存在についても加える。   ・締め切りは4月30日24時JST。   ・tennetには中川さん、光赤天連には市川さんが流す。宇宙研のHPにも出す。 4. その他   次回STF打ち合わせは、2月の中旬、別途調整。