==================================================================================== 2014/11/19 第1回 光天連SPICAタスクフォース会議 議事録 (ver.2) [文責: 小山] ==================================================================================== 日時: 2014/11/19(水) 11:00 - 16:30 場所: 宇宙科学研究所・新研究管理棟2階 A会議室 (1257号室) + 名古屋、広島よりテレビ会議参加 参加者:   STF:     出席: 小山、長尾、野村、本田、松田     TV参加: 竹内(133.6.42.200)     欠席: 宮田   SPICA:     出席: 尾中、芝井、松原、山村     TV参加: 金田、大藪、石原 (午後から竹内さんのTV会議に合流)   GOPIRA:     TV参加: 川端(133.41.115.23) --11:05会議スタート----------------------------------------------------------------- 1. キックオフ会議の議事録確認(長尾) 前回のキックオフ会議の議事録について、長尾委員長より確認があった。 --> 特に異論はなく、議事録は承認された。 2. SPICA PI より STF へのコメント(芝井) SPICAチーム(芝井氏)からESA側で進められているアセスメントスタディに ついて概要とスケジュールについて説明があった。 # 質疑は以下の 3. と合わせて行われた。 3. SPICA チームから PLAN B --> D に関する説明(SPICAチーム) Q : 光天連タスクフォースはSPICAのホームページには載せていないが、 それでよいか?SPICAチームとは独立でよいか。 A : それでよい。gopiraページにはすでに名前を掲載している。 C : タスクフォースの役割について(キックオフ会議のときの資料を見ながら) SPICAチームより説明。 11/13(木)にヨーロッパ側とのjoint-studyキックオフ 会議あり。松原氏、尾中氏が現地参加。かなり細かな技術検討が行われた (12/18までに8回行われる予定)。口径はどこまでの大きさが許容されるか、 口径 x 温度のトレードオフをどうするか等。サイエンス検討はSPICAチームで 行われているが、光天連からも検討していただきたい。 ここで現タスクフォースを選んだ経緯について松原氏より説明があった。 タスクフォースのイメージはプランBの枠組み(3m)のままでレガシーサイエンスを 考えることだった。しかしプランDになったことで、さらにもう一度見直しという ことになった。タスクは少し変わってしまうが、問題ないかと確認した上でOKを もらった。口径など主要な仕様、観測装置仕様、望遠鏡仕様まで踏み込んでSPICAを 支援することが目的。来年3月が任期となっている。 C: gopira-TFにはおもにサイエンスからのインプットを期待。長尾さんはSPICA サイエンスチームでもある。12/18の時点で ESA-JAXAの合意として仕様レビュー がでてくる。途中でも意見を言うチャンスはある。3月にはjoint-studyの wrap-upが行われる。 Q: 韓国・台湾はどういう位置づけになった? A: プランAでは近赤外装置を韓国で、MIR検出器を台湾で、という話だったが、 プランBになったときにESA-JAXAの合意が最重要ということで、韓国・台湾は ハード面での貢献はなくなった。サイエンスでは貢献してもらうことを想定して いる。この背景には、ESAから(JWSTとの競合を考えて)20um以下は完全にやめると いう話になったことがある。しかし研究者からの希望もあり、近赤外分光装置 (SPEChO?)が入る話も出ている。 C: SPEChO?についてもう少し説明があるとよい。 A: SPEChOとは 5-20um の分光器、分解能は~300。ポインティング精度 15mas は 厳しすぎ、現実的には 50mas くらいと思われる。 C: SPEChOはリソースへの要求へは強くないので、「載せることが可能かもしれない」 というのが現状。まだどうなるか分からない。JWSTはサチってしまって暗い星が できない。またJWSTはスペクトル全域では分光できないのでトランジットには厳しい。 Q: TESS/PLATOの違いは?PLATOのほうで見つかる天体は何がユニークか? A: TESS/PLATOはかなり近いプロジェクトであるため、そこは(PLATOにとって) 厳しいのは事実。 C: SPEChOとMIRIの比較をまとめると: (1)暗いものができるという点、 (2)wide-coverageの分光 (3)時間的リソース、だろうか。 Q: SCIはダメで、SPEChOはよいということになっているのはなぜか? A: お金の問題がある。SPEChOは研究機関が提供するという話。 Q: SPEChOは他のサイエンスに使える可能性もあると思うが、その検討はしてもよい? A: よい。 Q: 20um以下が可能になったのはなぜ? A: 今年の1月まではJWSTのカバーする20um以下は絶対にダメという雰囲気になったが、 高分散分光はいいかもしれないという話になった。EchOが M3で落ちたので、 それを乗せたいという気持ちもでてきたのだろう。 Q: (SPEChOについて)冷やした望遠鏡でやるべき観測かどうかは十分議論されるべき。 もっと小さいミッションでEch0らしいものを打ち上げたほうがよいという考え方も あるのでは? A: ないわけではないが、小さいといっても1m望遠鏡となればそれなりに高額になるのは自明。 C: アメリカにはJWSTがあり、欧州はMクラスに提案しないといけないので、基本的にはムリ。 C: 日本が全力で取り組む望遠鏡として価値があるかどうかという観点も重要。 Q: diffraction limit についての話は口径縮小の場合にはどうなる? A: 現状は20um回折限界なので、2倍よくなるような鏡にしてほしいというのは 無理な話ではない。 ------------------------------- ここで松原氏より、最近1週間の状況を説明があった。現在の「技術検討」は、 技術的に可能、かつESAのMクラス+JAXAの戦略的中型クラスで可能な ミッションの例を検討すること。ESAはプランクを製作し打ち上げ運用した経験 を生かし、コストが読めるプランクの冷却システムがベースとした。このデザイ ンでは望遠鏡が横置きになっており、従来の3mクラス望遠鏡の搭載は困難。 C : はっきり言って3mはほぼムリと思ったほうが良い。2m前後を想定したほうがよい。 ただし、決まった訳ではない。 Q : 11/26のシンポジウムではこの点を説明するべき? A : ある程度詳しく話したほうがよいと思う。 ------------------------------- Q : タスクフォースとしてはこの状況を踏まえて検討しないといけないが、 2mになったとして視野・感度・効率はどうなるかという定量的な見積りは SPICAチームにあるか? A : SMIについてはある。SAFARIはないが、換算はできると思う。 Q : 口径を小さくすると視野が大きくなる等、「メリット」になる部分は検討されてる? A : 口径の逆数で視野を広げる(1.5倍)ことは原理的には可能。しかし、より細かな装置側の 検討はまだできていない。サーベイという観点では 1/口径 でしか効かない。 Q : すぐにconfusionに到達するので広視野を掃こうと思うと、 オーバーヘッドの問題もでてくる? A : Herschelでは100um以上は confusion limit に到達しているのでそれほど魅力は ないかもしれないが、それより短い側は頑張ってHerschelを超えられる可能性もある。 SPICAの側ではphotometricサーベイというよりは分光サーベイに重点を置いている。 C : それはそうだと思うが、それでよいかどうかがこれからの課題であろう。 C : 広い領域を素早くサーベイするという観点は当然あると思うし、魅力的に見える。 C : 長い側は1秒でconfusionに届く。 Q : 12/18の時点ですべてが決まると思ってよい? C : 12/18には各責任担当者が最終プレゼンをやる。その後はみんなでやる作業は なくて、1月中旬に報告書インプットの締切。3月に報告書が完成する。 12/18以降は、プレゼン資料が見れる。ここではコミュニティからの フィードバックを仮定している。 Q : 3月には欧州+日本の大きなSPICA会議があると思っているが、そのときには 報告書に基づいて方向性が決まるということで良い? A : 3月最終週にはすべてが決まっていると思ってよいだろう。 C: 12/18以降には議論を開始しないといけない。 C: 1/12-13にはヨーロッパから何人かやってきてサイエンスの会議を行う予定。 ~~ ここで午前終了。午後は13時より再開。 ~~ -------------------------------------------------------------------------------------------- 午後セッション 13:00スタート 4. STF 委員による SPICA サイエンスのサマリーレポート SPICA-TFとしてインプットすべき点は (1) サイエンス検討の中間報告、(2) 口径2mの場合の科学的価値の評価 ((ここで金田さん、大薮さん、石原さんが出席))   [ 遠方宇宙 (発表者: 松田) ] Q: grismモード、no-grismモードの違いは?もともとプランBではなかったもの だと思うが、どういう経緯でグリズムモードが検討されるようになってきた? A : SAFARIの機能である。もともとは完全なblind surveyの予定であった。 ただblind surveyだと感度が低いので、分光感度を3倍程度上げるために、 指向観測としての分光機能が追加されたのがグリズムモード。基本的に follow-up 用として追加するオプションである。high-resolutionモードを 加えるという可能性もあるし、どのような機能を追加するかはまだ検討中。 基本にあるのは複数(5-6本)の輝線を使ってライン診断しようというのがあって、 それにはとにかく感度が必要。blind surveyでは暗い銀河は輝線が2?3本しか 受からないことが想定される。それをグリズムモードによってフォローアップし、 補っていくイメージ。 Q : どちらにしても blind survey は行うということで良い? A : そのとおり。 Q : 広視野測光サーベイを検討しているが、すでに2mを想定している? A : そこまで考えていない。3mの際の視野を想定して30平方度をタイリングすると 考えているだけ。どの深さまで達成するかはそれこそコミュニティに問うべき課題。 ここで示したのはあくまでこういう方針でのサーベイもありうるではないかという意味。 Q : オーバーヘッドは? A : 5割増しくらいで考えればよいと思う。3分もあれば姿勢は安定するはず。 C : ということは20-30平方度はそれなりに現実的と思われる。 C : 装置関係者としては、pointingしながらタイリングする「slow scanモード」を 考えることもできるはず。それも検討してよい。90umでslow-scanでどれだけの 広さができるかは検討の価値ありそうだ。姿勢制御のモードとしては可能なはず。 C : 撮像的なサーベイでコミュニティを広げていくのは賛同。ただしミッション全体の ライフタイムとの関係は気にするべき。「夢のサーベイ」になってしまわないかと 不安はある。ともかくスピリットとしては賛成。 C : いま流行っているトピックを中心に掲げていておいて本当によいのか、という 気もする。広視野で多波長のデータを揃えていくというのは現在は流行だが、 長い目で見た観点も必要。 C : そのとおり。サーベイをやることの価値自体は不変だと思うが、その宣伝方法には注意が必要。 Q : いま検討されている1平方度の分光サーベイではなくて広視野測光サーベイを中心に置くべき? A : コミュニティにかつての盛り上がりをどうやって取り戻すという観点で検討したと いうのが正直なところ。ダストに埋もれた銀河の性質を暴くというゴールは変わら ないはず。結果的にはこういった撮像サーベイのほうが多くの人に受けるのは事実で あろう。すばるサーベイとのシナジーからコミュニティを大きくして、、、と いうのが出発点になりうると思う。 A : 焦点面装置をどうしようかという議論のなかで、キーサイエンスとして 「1平方度サーベイ」がでてきたという理解。 Q : この測光サーベイを行っていく場合、装置的に特別な要求はある? A : 視野が広いほうがよいとか、slow-scanをやれるほうがよいとかの要求はでてくるが、 基本的にはいまのままでよい。 C : データレートは苦しくなる。SMIのほうはこの程度の浅さであれば対応可能。 SAFARIのほうが苦しいかも。ブロードバンドの撮像をやるという観点ではそれほど ムリはないと思う。 C : 1平方度サーベイがドーンと出てきたのはSAFARI側から出たお題目。日本側からは SMIを中心とするSEDサーベイを考えてきた。分光がスペース観測のメリットという 考え方もあるが、本当はバックグラウンドの低いcontinuumの観測というのが いちばんメリットがあるところでもある。 C : 地上テラヘルツ帯の観測なども出てくるので、あまり長波長はやらなくていいかも。 もちろん地上で出来ない波長は十分にやる価値があると思う。 Q : ポイントをまとめると、SPICAのプランB-->プランDはサイエンスゴールが現実的に 変わる訳ではないが、撮像的なサーベイをスコープに入れたサーベイを検討する べきだということでよいか。 A : よい。あとは、日本のミッションとしてあかりの遺産を生かして... という観点がほしい気もする。 Q : 数字だけを見ると、3mを2mというのは大きな変化だが、それなのにかつての 目標が達成できると言ってしまうと違和感がある? A : 口径が小さくなった分、視野が広がってサーベイ能力は上がっている。 それによってサーベイという観点では劇的には悪くなってない。 ただ定量的な検討を始めたのは最近のことであり、数字的には従来の3mでは 少し余裕があったということでもある。 C : オブジェクト数が減っているというところに集約されている。 C : 近傍宇宙の知識を遠方宇宙で活用する、という観点でもっと普及していくと いうことが大切であると思う。 長尾: 近傍宇宙のISMの知識を生かして遠方でやるというのはSPICAの最も重要な点だと 思っているが、その認識が微妙に違っていたのかも。新しい認識をもった。 ----------------------------------------------------------------------------------- [星間物質・近傍銀河 (竹内) ] Q : 空間分解して行う解析が可視・近赤外ではダメということが分かるように なっていないような気がするが? A : スライドではそこまで書かれていない。深くダストに隠れているところを 見るには遠赤外でなくてはできない。ショックに対する診断も、可視でも radioでもなく遠赤外でないといけない。銀河系のサイエンスをextra galacticで やるという点もきわめて重要。そういうところをきちんと書かなくてはいけない。 Q : (Euclidについて)Euclidの分光モード(1.8um)では遠赤外ができないので、 そこは相補的では? C : ダストで隠れたところを気にしない人種は結構いる。ダストに隠れた部分を 気にしないでいい加減にやっている遠方銀河研究は多い。 C : 無視してしまうとどう悪いかということをきちんと説明しないダスト屋が 多いのも問題なのでそこはお互い様かも。 Q : 現時点でSMIの分光resolutionは?R=1000くらいいける? A : カメラの大きさは変わらないので、(カメラモードはいいのだが)分散型分光器は カメラのピクセルスケールは小さく出来ず、R=600-700くらいに落ちる。 C : R=600というと、Spitzer のhigh-resolutionモードくらい。 Q : サーベイには 200 daysくらいかかるということになるか。 A : すべてのサーベイ計画を足し上げるとかなりの時間がかかるというところは懸念材料。 Q : ミッションライフタイムは? A : 3-5年を想定している。 Q : サイエンスに使えるという意味では? A : 本当は nominal でサイエンス2.5年か...欧州側は3年の観測期間を要求。 Q : 2mになったことで、冷えるのが早くなったりするか? A : そんなことはないと思う。 Q : L2に到達するのにどのくらいかかる? A : 1ヶ月くらいだろう Q : ガスフェーズの話が多かったが、ダストグレインの物性をやるという話はない? C : 輝線でダストグレインをやるのは大変であろう。 C : プランBのときにはそのような話があったような気がする。 Q : MIR-FIRではさまざまなダストバンドが出てくる。それが系外銀河でどのように 出てくるか、ほとんど分かっていない。これまではエクストラサクセス的として、 ダストバンドを使った結晶度などの議論を考えていた。感度的にはまったく問題 ないはず。シリケートを使って鉄の含有量なども分かるはず。銀河中心付近でしか 見えないかもしれないが。 A : 鉄の含有量などが分かるのは非常によい。 C : プロモーション的には、数年間検討を進めてから、看板にかかげてもよい。 dust-to-gas比だけではなく、ダストとは何か、extra-galacticの鉱物学を やるという観点はよいかもしれない。 Q : 今想定している観測で鉱物学まで出来ると思ってよい? C : すべての銀河について分光マップを得るという提案なので、別途観測を増やす必要はない。 C : いろんなことができるので、アイテム数を増やしていくというのが、 専門外の人も取り込みたいというときには重要な観点ではないか。 C : 遠方宇宙と同様に、敷き居が下がると参入しやすくなる。一方で、シニアな方の意見を聞くと、 大きなサイエンスゴールとブレイクスルーを必ず聞かれるのも事実。「あれもこれもできる」 では通用しないのも事実。とはいえ、皆さんに振り向いてもらうことも重要。。。 C : 科学目標に「漢字」が多いように感じる。 -------------------------------------------------------------------------------------- [星・惑星系形成・太陽系 (本田・野村) ] Q : 個別の観測時間はどのくらいを想定している? A : 1時間で十分なS/Nを得られる想定だが、confusionを超えていかないといけないのが課題。 Q : inclinationによる効果はない? A : あまり関係ないと思う。 Q : Ech0が想定しているトランジットのスペクトル吸収線の話はALMAではできない? A : 波長帯(温度)の問題で、Ech0の波長帯では比較的簡単だが、ALMAの波長帯では感度的に厳しい。 Q : 系外惑星班の「SPICAは推せない」という結論は、 20umより長いところに面白いものがないということ? A : そのとおり。これが日本の系外惑星コミュニティの総意とまで言えるかは微妙であるが。 Q : disk chemistryは東大山本さんなどがいるが、盛り上がっていない? A : そういうわけではないが、いまは何と言ってもALMAが注目という感じ。 C: SEEDSでは形態が分かる(分解できる)ターゲットがメイン。 SPICAでやるようなサイエンスまでまだ興味が届いていないのが現実。 Q : カイパーベルトに関してはSPICAのオリジナルといえる? A : 正しい。 Q : 光天連シンポでは太陽系グループはSPICAを推していたような気がするが? A : そこはフォローできていない。宿題にする。 Q : 惑星科学の人たちを取り込んでやるとさらに面白い観点がでてくるのでは? A : 興味の擦り合わせが重要だろう。 Q : 10月はじめの太陽系のグループとの研究会があって盛り上がったという話が ある。ALMAやSEEDSで形態が見えているようなものは「惑星がすでに出来ている」 もの。その前段階の天体のchemistryをできるのはSPICAではないか? C : 前段階といっても非常に抽象的に感じる。。。 C : 空間分解はできないが、きちんとした物理量を測れる。 これまで手が届かなかったところまで、きちんと数を稼いでやれるというのは 重要な柱になるのでは?3mか2mかというのはあまり関係ないような気がする。 C : 宇宙論銀河サーベイ1平方度でも3000-4000くらいの主系列星がforegroundとして 見えるので、そのデータを活用するという観点も検討してほしい。 C : 主系列星だとデブリ円盤ということになるが、これについて新たな知見が 得られる可能性はあるだろう。 Q : 今後どう進めていくか?将来計画検討書でSPICAへの期待を考えてもらう? C : そもそも2020年代の天文学を執筆する大きな目的はSPICAを応援することが目的ではなかったか? Q : タスクフォース委員長からその話題を振るというのはできるが、一方で、来年3月以降、 望遠鏡のスペックが決まってきてから、より具体的なサイエンス検討につなげていく ことがどちらにしても必要になる。SPICAチームからは、何かコミュニティとの アクティビティを想定しているか? A : 3月末にSAFARIチームが集まって今後の方針を会議する。日本の中でも「新しいSPICA」に ついて議論するような機会をもちたいと思っている。宇宙研内のMDR等もどうなるか まだ分からないが。 A : そこは現タスクフォースの枠組みを超えているので、次期タスクフォースへ つないでいくつもり。 --------------------------------------------------------------------------------------- 5. SPICA に関するNAOJデータセンターとの協力の現状について(山村) Q : あかりの反省とは?あかりのときも天文台と協力すればよかった? A : 打ち上げると運用とサイエンスと大変。あかりでは兼任でやっていて ごちゃごちゃになったのが反省。それぞれの人材が適材適所で任せられて、 天文学者はサイエンスをできるような体制を打上げ前から作るべき。 あかりのときは、天文台との協力というのはできなかった。SPICAは あかりよりさらに大きなプロジェクトなので協力すべきと考える。 Q : コミュニティからのサポートというのはどういう意図だった? A : こういう決議をしてほしい、、、というような要望までは今は言えないが、 天文台まで含めて全体としてオールジャパンでやろうとしているという 事実を知ってほしいことと、SPICAの成果を最大限にするためには天文台も 協力するように光天連から要求するような決議も将来的には必要になるかもしれない。 Q : こういう構想を各自が理解しておくことが重要。光天連というよりも 天文台の各種専門委員会がパスになるか? A : 天文台の執行部にあげていくのはそういった専門委員会だが、コミュニティが 要求しているからお金をつけてほしい、、、というような要望は重要になる。 たとえば天文台の中にSPICAプロジェクト室を作るか、というレベルまで含めて、 とにかくユーザの支持がほしい。 A : コミュニティを厚くすべきというのはサイエンスも同じである。 C : 宇宙研のデータアーカイブは弱体化している現実がある。あかりのアーカイブも 最低限のものしか出せていない。必要ならば再構築しようと言う話もある。 SPICAと天文台という話だけでなく、C-SODAをどう位置づけるかも考えないといけない。 Q : 海外との関係はどう想定している?衛星運用やデータ受信のところは日本だけで行う? A : 衛星運用センターは日本に置く予定である。ESAやNASAのアンテナを買って 通信するということはあるが。データセンター等も日本に置く予定だったが、 今後のESAとの関係次第というところもあって、地上系の扱いも現在は白紙になっている。 むしろ、日本側でこれだけのリソースをつけられるということを言えるようになって いないと、メインのところが全部ESAにいってしまうという危険もあるので、 議論を急ぐ必要がある。 Q : データアーカイブセンターが完全に欧州に行ってしまうということもあるわけか? A : ないとはいえないだろう。日本側の準備次第である。 ------------------------------------------------------------------------------------------- 6. 今後の予定について確認(長尾) C : まずは来週のシンポジウムをどう乗り切るか。12/18の会議後は資料を参照 できるようになる。それを見て、タスクフォースとしてどう考えるべきかを 議論する必要がある。1月あたりにもう一度タスクフォースをもつか。 3月の学会でアクティビティレポートする必要あるか。 C : 3月までのタスクのまとめを提言として学会で出す必要はあるだろう。 C : 12月のレビューを見て、議論する機会は必要。将来計画検討書では各班に SPICAについての検討を依頼したいが、スペック表がほしいと必ず言われるので、 そこはSPICAチームから出してほしい。 C : セットとして、装置スペックを出すのはSPICAチームへの宿題か。 A : SMIはできるが、SAFARIは想像するしかない。SPEChOも難しい。。。 C : 今月中に、将来計画検討書 編集委員会に出せるようにレポートをお願いしたい。 C : 11/26のシンポジウムで2m/2.5mでのSPICAのあり方を議論することになっているが、 その準備をもう少しこの場で議論できないか。 C : 11/26の会議は(WISHもあわせて議論することも重要なテーマではあるが)SPICAが メイン。SPICAの科学的意義の再定義、デスコープされたSPICAのサイエンスと してこういうものをやるべきだというコミュニティの総意を考える場にしてほしい。 ここで議論されたことが、その後のSPICAの進む道を決めうる重要な会議になる。 コミュニティはこれまで3mのSPICAを聞かされている訳だが、2mでのSPICAを イメージしてもらうことも重要と思っている。 C : タスクフォースからは「こういう方向もあるのではないか」というような種を 出してほしい。2mの場合、これまでの縮小版でよいのか、まったく新しい 方向性があるのか、議論してほしい。 C : 初めて(2m案について)話を聞いたコミュニティに対して、何が欠けているのか、 それを光天連で共有するという意図がある。できればタスクフォースの誰かが 発言をして、議論を活性化してほしい。今日の議論のまとめは長尾さんが やるとして、それを深めるところは他の委員がやれるとよい。 C : まず、遠方宇宙チームからでてきた大きなポイントは二つ: (1)撮像サイエンスを 考えて価値を再構築するという観点。(2) 光天連で閉じないでもっと広げていく という点。遠方銀河チームのどちらかから発表してほしい。 C : 近傍銀河は大きな柱では変わっていないが、やれるサイエンスをリストアップ していかないといけない。できるアイテムを示していく。星惑星分野も掘り下げる 場所はどこかというのを考える。SPEChOの話も。惑星科学業界との関係もポイント。 このあたりを提案して、シンポジウム参加者(光天連メンバー)からの意見をもらう というのも重要。 C : まとめると、遠方宇宙班で一つ、近傍銀河・星惑星班で一つ、といった形で提言を 準備しておいてほしい。金曜くらいまでに役割分担を決めて、月曜までにドラフトを シェアできるとよいか。 Q : 11/26の午前中にはTF委員会からの「提言」はしない? A : おそらく提言にあたる部分は午後のセッションになる。午前中は2mになったときに どうなるか、というのをレポートするということになるだろう。 Q : 惑星科学との連携はまったく新しい話だと思うが、それも含めて問題提起してよい? A : ごく最近出てきた話なので、そこを掘り下げてみてはどうかということを提起すればよい。 C : 惑星科学といっても中身はバラバラ。。。どういう形で協力するかはかなり難しい印象。 金星や火星にしか興味のない人もいる。惑星科学コミュニティの統括は誰かにお願い するしかないが、これまでもそういう話はあって、そのときにあまり反応がなかった のが事実。 C : 3/1,2で新学術(系外惑星)の研究会があるのでそこでSPICAからインプット(紹介)して みてもよいと思う。 C : これまではあまり実を結んでいないという現実を伝えてみてもいいのではないか。 本田委員の発言内容を伝えるだけでも十分に意義がある。