PSF 計算のソフトを自作し、以下の条件で 3.5m セグメント鏡の PSF 評価を行なった。計算は
1024x1024 メッシュで行ない、計算時の分解能は主鏡上で 5cm、結像面上で 4mas (波長 1μm
の場合)となっている。以下の図では、PSF を明るさのスケール 10,100,10000倍で表している。
主鏡(3.5mφ) | PSF(1"□,x10) | PSF(1"□,x100) | PSF(4"□,x10000) | 備考 |
| | | | Peak: 1 |
| | | | 副鏡 1mφ Peak: 1 |
| | | | スパイダー幅 10cm Peak: 1 |
| | | | 位相 π/2 ずらす Peak: 0.797662 |
| | | | 位相 π ずらす Peak: 0.444428 |
| | | | 位相 ±π/2 傾け Peak: 0.903411 |
| | | | 位相 ±π 傾け Peak: 0.729105 |
| | | | スパイダー無しの場合 Peak: 0.444396 |
| | | | これ以降正規乱数を用いた シミュレーション 保持精度の 2σ=λ/8 Peak: 0.861472 |
| | | | Peak: 0.81017 |
| | | | Peak: 0.738715 |
| | | | 保持精度の 2σ=λ/4 Peak: 0.555523 |
| | | | Peak: 0.430477 |
| | | | Peak: 0.286638 |
| | | | 傾き固定 保持精度の 2σ=λ/8 Peak: 0.79961 |
| | | | Peak: 0.752464 |
| | | | Peak: 0.851487 |
| | | | 保持精度の 2σ=λ/4 Peak: 0.387969 |
| | | | Peak: 0.383517 |
| | | | Peak: 0.51104 |
これらの計算で分かったこと
- 鏡の光軸方向の位相のずれは観測時不可能となるほどの致命的なものとはならない。
- 鏡面の不連続な位相差はスパイダーと同等の効果。スパイダーは鏡の境目の上につけるべき。
- 鏡面の最高精度を維持するためには、鏡面のずれを λ/4 (位相π/2)以下に保つ必要がある。
即ち、各セグメントの位置制御の絶対精度は λ/8 以上必要。
Keck でのセグメント鏡制御
iwamuro@kusastro.kyoto-u.ac.jp