HDS
装置責任者 | : | 野口邦男 |
サポートサイエンティスト | : | 田実晃人 |
チームメンバー名 | : | 野口邦男、青木和光、川野元聡、安藤裕康、本田敏志、泉浦秀行、神戸栄治、沖田喜一、定金晃三、佐藤文衛、田実晃人、比田井昌英、田中済、渡辺悦二、吉田道利 |
FDR資料にはないが、装置開発にあたっては、以下の3項目を主な研究テーマとしてかかげた。
2000年7月に初観測、2001年4月より共同利用に公開
1997年度 | 696,000,000円 | (3年間契約での支払) |
1998年度 | 14,000,000円 | |
1999年度 | 35,000,000円 | |
2000年度 | 10,100,000円 | |
2001年度 | 1,000,000円 | |
2002年度 | 0円 |
-通常のエシェル分光モード (当初目標の性能を達成)
-ロングスリットモード (当初目標の性能を達成)
-視線速度精密測定(ヨードセル)モード (当初目標の性能をおおむね達成。限界性能の試験が必要)
ヨードセルモードについては、解析ソフトウエア開発の進捗にあわせて、限界性能の試験観測を行うことを検討している。
・低金属星の化学組成解析にもとづく銀河系の化学動力学的進化の研究
・QSO吸収線系の解析にもとづく初期宇宙についての研究
については、十分可能である。
・視線速度精密測定にもとづく惑星系の探査と星震学
についても、基本的には可能であるが、最高性能を引き出すために追加された光量モニター装置は、動作が不安定になる場合があることがわかってきたため、改良を要する。(光量モニター装置は、共同利用向けに公開している。これまでにこの装置を用いる提案は採択されていないが、実際には一度共同利用で使用した際に問題があったので、改良がなされるまで公開を見合わせる可能性がある。)
8m級望遠鏡の高分散分光器としては、Keck/HIRES、VLT/UVES があるが、これらに比べるとHDSは最高分解能が高い(スリット幅を狭くすることで R=160,000まで可能)という特長がある。これは同位体組成解析、スペクトル線輪郭解析などにおいて有効である。
共同利用:
HDSの観測効率は、特に低いということはないと考えているが、今後改善するためには、ガイド系の改善(AGとSVのノイズ低減、ローテータ不使用の場合のAGのガイド精度向上など)が不可欠である。また、スペクトルのコンティニュームプロファイルに大きな変動が現れる場合があり、これは第三鏡のたわみに起因するとみられる。この点についても、改善を希望したい。これらについては、すでに観測所にも検討を依頼し、努力をしてしてもらっているところであるが、改めて要望したい。