セッション6: 総合討論(2014年9月10日(水)13:15−15:30)   *** 議論メモ ***  (Q:会場からの質問 A:発表者による回答 C:会場からのコメント) アジェンダ (座長 松原英雄/川端弘治) ・スペースプロジェクト検討について ・分野融合型プロジェクトの支援について ・検討書章立て案、LateXテンプレート  ほか #============================================ 司会2: ・3つのテーマを抱えている。 ・スペースプロジェクト…昨日行ったので補足で 司会1: ・スペース計画については昨日議論したが今日もう少し議論  …各班への宿題(どのミッションが必要か) ・分野融合型について今後、検討書への折り込み方 ・章立て案について ◆スペースプロジェクト検討について 昨日の議論についてのサマリ 2つの課題 ・シナリオ構築  - これまでSPICAが走ってきた。が急に落ちた。  - SPICAとWISHは同立しないが、2028年までSPICA一本で行くのかという危惧  - サイエンス・人材をどうつなげるのか?  - まずコアメンバーで話し合う  - (想定されるシナリオ)  - コミュニティとして戦略的に?競争的に?   それぞれ独立に進めるのではなく技術や人材の継承などお互いの位置づけ。   入り口は競争的な競争プロセスも必要 ・SPICAについて  - 再定義しないといけない。光赤天連での位置づけを再定義する場を設ける  - 新生タスクフォースを組まないといけないが、新しい視点で進められるよう   にメンバーを決めないといけない  - 想定される仕様を準備する C/Q: いろいろな立場、多角的に考える必要がある。 - 多波長の観点からは、LITEBIRDは勢いがある - 文科省のマスタープラン:SPICAとLITEBIRDは言及有。ダブルA評価。 - SPICAは外から見るとコミュニティのトップだった - SPICAの他にはSOLAR-C、LITEBIRDがあるが、WISHは名前が出ていない。  この観点から、コミュニティーとして、SPICAを差し置いて、WISHを押すのは  厳しいのでは? - SPICAとWISHが両立しない、というのは厳しいが率直な見方 - タイミングが非常に遅い、WISHもSPICAもなくなる可能性がある - 山田さんのスライドのシナリオDがよく見える。つまり、WISHの代わりに  WFIRSTに部分参加してSPICAにつなげるという案だ。WFIRSTが打ち上がるのは、  楽観的にはほぼ確実。WISHでやりたかったサイエンスをここでカバーするのは  どうか? - WISHとWFIRSTをコミュニティとして比較してはどうか? Q: - SPICAとWISHが両立しない、というのはどういう意味か?  2028年SPICA、2020年WISHでも両立しないのか? 司会1: - 一つのコミュニティからスペースの大計画を二本推しても通らない  のではないか、ということ。しかしSPICAまでに何かやらないとまずい、  という危惧はスペースの中ではある。例えば WISHやJASMINEなどの  「望遠鏡を作る」という経験はSPICAにもつながる。 Q: - SPICAをベースに話が進んでいるが他の計画(EXZIT等)がベースになったりし  ないのか? 気球やロケット実験とか? C: - ロケット実験だけでは無理:単発だから - 国内外問わずもっと小さな衛星プロジェクトに参加して繋げる可能性はある - SPICAの前に行う:スペースミッションとしては並行してできない 司会1: - フィジビリティが要に C: - LITEBIRDは宇宙研がサポート、活動しているというのが強い - SPICAの前にプロジェクトを行う…宇宙研を通さなければ可能かもしれない Q: - 過去からのつながりはないのか?  SPICA・・・あかりからのつながり、ステップアップが見えにくい  例えばすばる→TMTは流れがよく見える  欧州ではHerschelからSPICAに、という流れがよく見える 司会1: - それは我々の宣伝不足 C: - あかりまでここまで見えて、なのでSPICAではここから…という主張が必要 司会1: - 真摯に受け止める C: - SPICAの検討では  初めは夢を語っていて、徐々に現実とすり合わせていった - あかりからSPICA、というのにこだわってほしくない。 - まずはまっさらに夢をみて、そこからスタートしてほしい - SPICAがなくなっても議論の機会に感謝している C/Q: - TMT:すばるでコミュニティが広がった結果TMTにつながった - あかりの場合はコミュニティが厚くなったのか疑問 - コミュニティの拡大率の割に規模やステップアップなどが大きかったの  ではないか - 心配なのは今のままでは2030年代にスペース存続の話にならないか? 司会1: - 本来将来計画は楽しいものでないといけないが…  そうでないフェーズになってしまった・・・ - ここが谷であとは上るだけだろう - とっかかりは何か C: - 今の話に関連するが、SPICAの後は何があるのか? - 天文台は全てスペースに行くのか? - 2030年、2040年天文台が全てスペースに行くのならばSPICA存続は要 - そうでなくて地上・スペースどちらも両立するなら今のように多様に富んだ  もので進んでいくのか - 将来計画:夢を語る  …夢を語る。15年後というのは近いかも。もっと先でもいい? C: - SPICA、TMTの次を考えると楽しいだろう - TMTの次はないのでは?100m望遠鏡とか有り得るのか? - SPICAの次はあるだろう。高分散分光やコロナグラフが残っている - その為にもSPICA存続は重要だろう 司会1: - 有難うございます。 - 色々なコミュニティが推薦するプロジェクトというのが大事 C: - 夢を語るのも重要だが、現実的なビジョンを示すのが重要。 - 今日はそちらに集中すべき。 C: - 光赤天連より宇宙研ロードマップより抜粋 -- 日本が主導できるフラグシップ的なミッション、つまり2つはない -- コミュニティとして最高点を -- 海外ミッションも使う - これに矛盾しないロードマップを作らないといけない 司会1: - SPICAにさえお金が付かない状況である、というのを心に留めるべき - SPICAが必須と答えた班は以下の通り。 -- 巨大BH、近傍銀河、星間物質、太陽系 -- 銀河進化、星惑星形成は微妙な表現 - WISHが必須と答えた班は以下の通り -- 巨大ブラックホール、初代天体・銀河進化、系外惑星 C: - SPICAに匹敵するプロジェクトがない、というのが重要 - そこに意義を見出さないのは疑問 - 延長はするが、SPICAがないとそこの波長のデータがない。  SPICAがなくなると今後30年位はその波長のデータはない。  それはいいのか考えて欲しい。 - 新しいデータがでると、新しい見解が出てくる筈。 - SPICAと似た波長で計画があるならそこに参画すべきだが、なければSPICAを  押すべき C: - サイエンス班は何を問われているのか(サイエンス本命で検討するのか、  コストなどプラクティカルな面まで含めてプロジェクトの順位付けまで  求められているのか)混乱したのではないか? - SPICA、WISHとも、サイエンス本命で検討するなら重要なのは明らか。 司会1: - 正直どう問えばいいのか混乱している部分もあった - あれば重要。それを考える - 将来として、日本のコミュニティがやるべき「サイエンス」を書く - つまり「サイエンス」をメインに C: - 遠赤外のプロジェクトについて -- 欧米が遠赤外の干渉計を上げる計画がある -- これまでの実績に基づいて日本が重要な役割を担うことができる -- WFIRST-AFTA/Coronagraphについいて 日本が主要な役割を果たすことができる見通しは立っていない。 WFIRST-AFTA/Coronagraphは米国と日本において切り離された検討であり、 現時点において日本の財産(将来計画につながる技術)になるのかが不明瞭。 司会1: - 実現しなさそうだからやめるというよりは将来に対する推薦を含めて欲しい C: - 仲間内でサイエンスを考えるなら夢を語るでよい - 他分野の人に、我慢してもらって自分たちのサイエンスを押す面もあるので  夢だけでなく戦略も見えないといけない - 地上は岡山→すばる→TMT という流れ - スペースはIRAS→あかり→SPICA という流れ - 欧州の赤外干渉計、これはSPICAからつながる Q: - アマチュア的感覚からの質問だがハーシェルはどのくらいかかったのか? 司会1: - SPICAよりは安かった  (編者後注:ハーシェルの方が高額かも) C/Q: - 10年前くらいの感覚では半額の印象だった - SPICAのイメージはE-ELTの前のOWLと同じではないか? - 2m位の、1000億円超えないものなら何とかなるのか? 司会1: - SPICAは欧州と今見積もりをしている - なので芝井さんのコメントのように口径を小さくすることも検討している - Planck(LISA)が頭にある。 -- 20Kから30Kに冷やしている。口径は小さいが - Planckから外挿して本当に3mの望遠鏡作れるのか、というのがナイーブに出  てくる Q: - 午前中には出ていなかったが、巨大ブラックホールは両方、とあるがどうい  う意味か? C: - 午前中にも報告したが、プラクティカルな議論はしていない C/Q: - WFIRSTとWISHについて -- 両者は波長でユニーク、WISHは地上望遠鏡から繋がりがある -- 人材の繋がりの上でもWISHは貢献できる - 将来全てスペースに天文台を作るなら宇宙研を通すべきななのか? - 今はSPICAとWISHで力が分散しているが、一つになれば大きな力になる。 - WISH→SPICAという流れではいけないのか? C: - WISHも宇宙研からサポートを受けていることをコメントしたい。 - 地上とのシナジーを考えた方がよい -- 例えばTMTやすばるなどのサーベイ。 -- 地上をフル活用しつつスペースから何か出来ないか? -- WISHはTMTを念頭においている。 TMTにターゲットを提供できるのはスケジュール的にもWISHのみ。 - PDの意見としては15年というスパンのものに参加するのは不安 C/Q: - SPICAが他と違うのはメインの波長と温度 - 近赤外…可視を遠方。同じサイエンス - 遠赤外…全く異なるものを見ることになる。ALMAやミリ波に近いサイエンス - 光赤外として、でなく電波コミュニティからも推薦できないのか? C/Q: - あかりからSPICAにつながるサイエンスを発表したつもり。 - 銀河進化につながる、と考えている - SPICAが伸びたと言って他のプロジェクトが本当に要るのか? - コミュニティの宣言を変えるのに懸念。 - どいう方向に進むべきか、から話すべきでは? 司会1: - その通りだと思う - ロードマップとしては「進む方向」をまず示すべきであろう C/Q: - 銀河サイエンスの観点ではWFIRSTは面白い。 - WISHもWFIRSTも飛ぶか分かっていない。 - 片方をするから他方をやめる、というのはやめた方がよいのでは? 司会1: - どのプロジェクトが必要、というわけではなくこ、やりたいサイエンスを書  いて、どのプロジェクトが進めばできる、というように書くのがよいのでは C: - Wikipediaにミッションの資金が書いてある -- Herschelは 15 million Pound (当時。現在だと42 million Pound) -- planckは 700 million Euro - それに比べるとSPICAはコスト低い? C: - S-camを作ってたときに、何故必要かを繰り返いし問われてきた - 完成した後は予想以上に使用されすばるの価値が上がった - これまでない視点の装置を作るのは重要 C: - 必ずしもサイエンスケースを考えるばかりではない - 年配の方は新しい次元を見て、という経験をした - 一方で若い方はプロポーザルを書いて観測がメインでいるのでその経験は少  ない - 新しい次元を開拓する大切さ、を説いてほしい 司会1: - 時間が押しているので、どのように計画書に織り込むかを考える - SPICAが延長するならば書かない、という選択肢はないであう。 - こういうサイエンスが進み、そのためにはこういうプロジェクトが必要だ、  という書き方か - シナリオ構築についてのAI -- コアメンバーで話す。若手が意見を言えるように -- スペース計画についてはもう少し待つことに。 3月末(1月には)にまとまるかまとまらないか分かってるはずなのでそこか ら執筆開始 -- つまりサイエンス班の方が執筆が先行する。 -- 無駄な部分ができるかもしれないがそれはサプリとして電子版で公開 - 他に意見は?  …ないようなので次の話題に ◆分野融合型プロジェクトについて - 分野融合型ミッションはどのように支援?連携も必要では? - どこが支援母体? - 壁を取り払う努力? - 米徳さんより頂いた議題 -- ロードマップの中に、他波長連携、分野融合型でなければ成し遂げられな いサイエンスの重要性を明記 -- 高宇連のロードマップの中に「Hi-z GUNDAMは赤外WGと開発」という内容を 含めたい -- hig-z GRB、得意な突発天体、マルチメッセンジャー天体の追観測を積極的 に推進できるような枠組が必要 C: - 積極的にコミュニティとしてつながる方法が重要なのでは 司会1: - そもそも分野融合型は分けるのが大変だった(学術会議とか) - 研究者レベルでは多波長連携などはしていた - それをもっと大々的に壁を取り払うべきでは - 他の連絡会、まずは高宇連や宇電懇と連絡会を設ける?  同じ機会に集まる、など - 明日から天文学会だが C: - とりあえず集まる、では駄目。いずれ形骸化する - コミュニティ谷間に落ち込んでしまうプロジェクトがでてくる - 多波長連携は自然な流れであろう。 - 分野を問わず問題を持っているグループでWGを作ればよいのでは? - ゆくゆくは多波長連携コミュニティ、というのが作れればよいが… C: - 千里の道も一歩から - 天文学会はいい機会。 - 集まるのもいいが、学会はセッションの分け方も問題 - 例えば銀河・銀河形成・銀河団、が見事に波長でわかれている、  それがパラレルでセッションが行われるので他分野の話がきけない 司会1: - バランスが大事か。 - どれにでていいかわからなくなりそう - 地球惑星連合とかはどうか? C: - 惑星連合では来る10年で3つのミッション。 - あくまで惑星科学の視点。そこに天文学の視点が求められているのは確か。 - 相補的なサイエンスを展開したいとは思っている C: - 2030年、2040年の話となった時に、TMTの次は木星望遠鏡? - 今できる布石としては一手打つ?その為に惑星科学と共同研究をする C: - WGをつくるのはいい - そこに出るメンバーが例えば自分では駄目 - 重要だといっている人ではなく、将来計画を考えている人が参加する枠組み  必要 司会1: - 因みに高宇連はロードマップを作るのか? C: - まさに議論の最中(astro-H,ATHENAとかあるので) - この1年で文書化する予定 - 連携への行動をするために光赤天連に入った。 司会1: - 行動を起こすのにモチベーション - 時代は逆。 - 大きなもので、みんなでハッピーなプロジェクトを進める、という流れ C: - 光赤天連・高宇連・宇電懇は天文学会というおおきな傘がある - 惑星はそもそも母体が異なるのでそこは考えないといけない 司会1: - まとめると… - 目的を絞ったWGは必要。 - だが主張している人間だけが集まっても仕方がない - ある意味、分野融合型のWGがそれな気がするのでそれ以上のものができない  と意味がないのではないか - 今度の総会でアイディアを練ったものを報告。 - 松原・川端で相談し、総会でも高宇連・宇電懇の人と意見交換してみたい ◆検討書の章立てについて 司会1: - 地上・上空プロジェクトについて - 小口径まで含めてすべての望遠鏡まで含めるか? - 誰に見てもらうものか。天文学がある程度判る他分野の人でも読めるもの - 最後の章に、分野融合型プロジェクトの推進について含める - 第2章 光赤外天文学の過去・現在と未来は、もう書かなくて良いのでは? - 前回も書いたので。殆どコピペでも良いのでは? 編集員会で検討 C: - 何ができて何ができなかったかの記述もほしい 司会1: - 日本学術会議への各プロジェクト(大学)の概算要求をendorceする意味がある。 - 既存の小さい望遠鏡まで網羅しなくて良いのでは。 - 改訂の意義・目的、そして活用 - 他分野の研究者に対して解りやすく伝える - 光赤外としての戦略を再整理する - スペースと地上、大規模と中規模のつながり、大学と天文台・宇宙研との関わり、 - 国際協力の進め方等について、明確なビジョンに打ち出す - Executive summaryは英語でも作り、世界に発信する C: - 原稿が集まってから編集委員会が動き出すのでは遅すぎるのではないか。 - フォーマットが決まっていると良い。 司会1: - 概算要求に有効に活用されることを考えると少なくとも検討報告書の電子版は 2015年3月第一稿完成、2015年6月の完成を目指したい。7月末までに印刷版作成。 C: - 宇宙研戦略的中型に応募するには、各コミュニティで一押しでないと  いけないという文言がある。そういうふうなまとめ方にしないと有効では  ないのではないか。 - サイエンスの目標と、それに至る行程が章立てではよくわからなかった。 C: - 各サイエンステーマごとにどういう装置が必要かを書いてもらい、 最後にそれをまとめる。 C: - それでは不十分でまず第一にはこれ、ということを明示すべき C: - 光赤天連が総意として出すのであれば、現時点ではSPICAしかあり得ない  すでに声明文を出しているので、それを覆すと整合性が保たれなくなる。 C: - Snormass? P5プログラム(DOI主導)で優先順位を付けた。Funding profile  も含めて掛かれており、最初の3ページを見れば分野外の人もそのコミュニティ  の総意が判る。見識のある人々が編集委員であることが重要。サマリーも重要。 C: - いろいろとbottom upで上げて、その後で整合性をとっていくのは編集  委員に任せるという案に賛成。 C: - 日経サイエンス等に掲載されている最近の天文の記事と対応させて、  提案する装置の位置づけをすれば、一般の人に分かりやすくなる。 司会1: - 章立ては少し見直すことになる。何を書くべきか明確にする。 - 第3回全体会議を2015/01中旬に予定しているが、ある程度文章ができてからに するのが良いので、進捗によっては遅らせるかも。 ◆LaTeXテンプレート 和田(将来計画検討書編集委員会事務局): - 前回のテンプレートをもらってそれをベースに使っている。 - 各セクションごとにディレクトリとtexファイルを設け、階層構造にする。 - 班ごとにラベル用の識別子を設けて、ラベルが重複しないようにする。 - 定義ファイルを最初に読み込ませるようにするので、各班で定義したいコマンド等 があれば事務局に知らせる - 印刷版をどうするか ・フルカラー ・カラー表紙+カラーグラビア+本文は白黒(2010年版) ・カラー表紙+本文は白黒(2010年版) ・出さない 司会1: - 予算との関係による。事務局レベルの判断で良いか C: - 費用は部数にはあまり敏感ではない C: - 光赤天連の貯金は約100万円ある。全部使って良いという訳ではないが。 C: - 科研費の研究成果公開促進費?を使う手はある C: - コミュニティ内は良いが、その外の人にどれだけ見てもらうかによる 司会1 - やはり一部は作ることにする。あとは編集委員会で考える。 - スペース班についてはまずWSでの議論を受けてからになる (議事メモ執筆: ドラフト: 森谷  校閲: 松原/川端)