光赤天連「スペース将来計画シンポジウム」 2014/11/26 10:00-17:45 国立天文台 すばる棟大セミナー室 会場参加者数 約55名 (ほか、TV会議接続3件) 講演・議事メモ (Q:質問 A:質問への回答 C:コメント)  #編集・確認が不十分であるため、正確ではない表現もあると思いますので、   取扱いにはご注意をお願いします。 == 川端講演 == * SPICA の位置づけ、科学的目標の再定義、方向性についての了解。 * スペース計画の工程表への対応、光赤天連としてどのような流れを表明するか。 * 光赤天連の役割。 質疑 Q:工程表への対応は重要な議題かと思うが、どのように議論するのか。 A:午後に議論がある。 C:工程表は分野ごとに責任を持って開発出来る体制があるかどうかを示して  もらうことを重視している。ユーザーだけではなく作ることにも責任を持って  取り組まれるのかどうかを見る。もう一つのコメントとして SPICA はヨーロ  ッパの貢献も含めて 1000 億円を超える非常に大きなプロジェクトである。 == 芝井講演 == * 光赤天連はそもそもすばる推進のために立ちあがった経緯もある。 * 宇宙研は戦略的中型、ESA は M-class を合わせてどのようなサイズの冷却望  遠鏡が出来るかを検討している。その結果は 12/18 に出る予定である。その  結果を受けて最終的にどのような計画とするかを 1-3 月にかけて議論をする。 * SPEChO: 5-20um の低(中)分散同時分光によるトランジット * 2025 年打ち上げをプロジェクトの目標としている。望遠鏡製作のタイムスケ  ールが期間を決めている。 * 口径の縮小はあってもサイエンスの価値をより高める努力をしていく必要がある。 == 長尾講演 == * 遠方銀河の R=20 の多バンド探査で PAH を捉える。Plan-B でのフルサクセス  を口径 2m でも達成できる。 * 近傍銀河の空間分解したスペクトルの取得。距離 10Mpc 以内の銀河に対しては  200pc (2m 口径の場合)の空間分解能で議論をする。100Mpc ではおおむね kpc  スケールでの議論が可能。 * 星・惑星形成研究では原始惑星系円盤の HD (光学的に薄い) でガス質量を測定  し、水蒸気や氷の分布を調べる。H2O 40-60um あたりは Herschel JWST でカバ  ーされていない。カイパーベルトレベルの残骸円盤を検出するのはターゲット  天体の数が減るだろう。 * 多くの Plan-B でのフルサクセスレベルの目標はPlan-D でも達成できるだろう。 * Plan-D では視野が広がるので、撮像 SED での  遠方銀河の研究はどうか。 * SPEChO を用いた銀河のサイエンスケースはどうか。 合同質疑 Q:遠方銀河の研究においても銀河の構造を見るために 1秒角程度の分解能が  ほしいと考えていたが、それは達成できなくなるが、どうか。 A:遠方銀河の空間構造を分解した研究は今は考えていない。 Q:天文学以外の波及はどのように考えているか。Plan-D になることで TMT/  ALMA/JWST との連携はどのようにかわるか。 A:他の分野から成果が認められることが重要と考えられている。惑星科学な  どでは波及効果があるだろう。 Q:他のプロジェクトとの連携研究といった観点ではどうか。 C:JWSTの飛んでいる時期との同時性はなくなる。TMTの第2期装置とは連携が  出来るようになるだろう。 C:JWST は 2020年代後半も動いている可能性はあるだろう。 C:実際にシナジーのあるケースを示してほしい。 Q:輝線診断でどこを調べることが一番重要と考えているか。サーベイを同じ  時間で出来ると言っても、広く浅く探査する方にシフトすることが予想される  が、その影響はどうか。 A:輝線診断については観測できるラインの現実的な組み合わせとサイエンス  ケースについてはまだ整理できていない。輝線診断をするためには弱いセカン  ダリな線を受けることが必要であるが、どの赤方偏移でどのような診断を狙っ  ていくかは決められていない。 Q:輝線診断についてどのような天体を選択しようと考えているか? A:Plan-B では SAFARI である場所の銀河をすべて面分光することを想定して  いるが、Plan-D ではGrism を入れて個別の銀河をスリット分光することも考え  ている。 Q:Haro-11 で Herschel よりも高空間分解能で観測できると言っていたが、  どういうことか? C/A:Herschel はスペクトル観測においてはとても感度が低く、空間分解して  スペクトルを得ることはほとんど無理だった。 Q:2m になった時に新たに開けるサイエンスは何か? A:Plan-D では視野が広がることが想定されており、そのような観点からサ  イエンスを広げることを検討している。 Q:20um が最短波長になっている理由は技術なのか、戦略なのか。 A:Plan-B では JWST が 20um 程度まで観測できるので目的の棲み分けという  観点から意図的に外していた。20um より短い波長では鏡面精度が必要となる。  Plan-D では SPEChO を含め、大規模衛星として可能であれば 20um より短い  波長も含めて広い波長をカバーすることを考えている。 Q:遠方銀河において他の施設とのシナジーはどうか。JWST や ALMA での輝  線診断と比べた時にSPICA で独自にできることは何か? A:赤方偏移 1-3 の星形成ピークの時代の分光をターゲットとして考えてお  り、ALMAは 200um より長い分子線が多く、JWST は 10umより短い波長で水素  輝線を見ることになるが、SPICA はその間を埋めて輝線診断をすることが出来  る。 Q:サイエンスからスタートするのであれば、サイエンスとして面白い赤方偏  移のターゲットを決めてスタートするべきではないか。 A:今の議論で目標サンプル数などが特定されているのはターゲットとしてい  る。赤方偏移は星形成のピークとして面白い赤方偏移として認識して目標と  して設定している。コミュニティとしてそれをどう考えるかはさらに議論して  いくことが必要だろう。 C:目標を先鋭化するときにこの赤方偏移を選択してサイエンスケースを検討  してきた。実際にはもっとさまざまなサイエンスが出来る可能性がある。たと  えば PAH のスペクトル形状を見ることで有機物の宇宙論的進化を見ることが  出来るだろう。 Q:SPEChO を載せる影響は? A:大きな影響がないことを条件に載せるということで検討している。波長  5um の分光でも望遠鏡の鏡面精度は 20um に対応したもので良いと聞いている。 C:トランジット分光では多少ピンボケでも良いのだろう。 Q:Plan-D になった場合、日本人のデータや観測時間へのアクセスはどうな  るのか。 A:半分程度はあらかじめ決まったプロジェクト観測で占有時間なしとする。  1から2割は公募観測で考えている。日本とヨーロッパの計画でありアメリカ  からのアクセスは同等ではない。 Q:ESA の検討の結果 SPICA が出来ないとなるとどうするのか。 A:ESA はどういうものならできるかというリファレンスモデルを出すことを  考えている。 Q:WISH をやるといった場合に SPICA をやらないというのはどういう理由な  のか。 A:前回のシンポで個人的意見として述べたが、光赤外の体制として両立しな  いと考えている。個人的にはそれぞれのプロジェクトに数百人の貢献が必要だ  と考えている。宇宙研から見た時に最優先でどれがやりたいかを示すことを期  待されるだろう。最優先事項の上に余力と連続性があれば他のプロジェクトも  考えられるだろう。 Q:宇宙研としてプロジェクトの実行体制としてどのような体制を具体的に期  待しているのか。 A/C:宇宙研の中ではいくつかの衛星計画が並行して走っている。それなりの人  数が関わっていないと解決できない問題があり、十分な人数が参加することも  重要であると考えている。たとえば Astro-G はコミュニティとして十分な人数  が関わっていなかったので、解決できる問題が解決できずにうまくいかなかった  と考えている。 Q:具体的に何人程度を考えているか。 A/C:Astro-H は現在の実数として 100 人を超える人間がかかわっている。 Q:Planck のように太陽パネルに平行に望遠鏡を置いて口径が制約される設  計を選択しようとしている理由は何か? A:ESA としてすでに実績のある Planck 型を選択して検討を進めている。  ESA には SPICA 型の構造も検討をしてもらいたいと考えている。最終的にど  のような構造を選択するかどうかは SPICA 側の選択である。要求があれば日  本で SPICA 型の検討をして提案することは原理的にはあり得る。 午前議論修了 昼食休憩 午後の部開始 == 小山講演 == *遠方宇宙分野の視点から提言、提案 Q:広視野中間〜遠赤外の測光サーベイには何日必要か? A:例えば100日くらい。 Q:何バンドを考えているか? A:現時点では例えば3バンド(30,40,50umとか)くらい。 Q:輝線サーベイは、むしろすばる研究者はなじみがある。明るい200-300個  のサンプルで何ができるか。Herschelに比べてどれくらい、、、(以降聞き取れず)  100平方度のサーベイをやるメリットは何か? A:最初にサーベイをやって、その中からターゲットを選ぶのもよいのでは  ないか。 == 竹内講演 == *近傍銀河、星惑星形成、系外惑星 Q:近傍銀河でastrophysicsをやる上で、どういうことが実際にkeyになるの  か?ダストー金属量関係に実際どうやって切り込むか? A:ダストの影響を受けない遠赤外線でやる。星間物理でやっていることを  近傍銀河でできる。近傍から遠方へという方向性。近傍銀河はよく分かって  いるので、それをなまらせることで遠方が分かる。ダストー金属量関係につ  いては、Herschelでやり始めているが、はっきりしたことはいえない。  Herschelは分光が弱い。キーの物理を決めるには分光が強力。連続光では  ダストの鉱物学という視点もある。 ・合同議論 Q:SPICAプロジェクトで採り上げる3分野のサイエンスの重み付けは? A:2m版ではまだ。3mの段階では、近傍と遠方銀河で半分以上だった? A:近傍、遠方、惑星、天文台でそれぞれ同じくらい。5000時間ずつとか。 Q:遠方銀河の中間赤外線サーベイを真剣に検討して欲しい。明るい200個  とかだけをやるのでいいのか。その観点で、中間赤外線サーベイは重要。 C:広視野を短い波長で掃くのはユニーク。JWSTとの重複を恐れずやって  よい。 C:系外惑星に関して。JWSTの分光は一度に取れる波長域が狭い。幅広い波長  範囲をカバーするときに何回も観測するのでキャリブレーションが難しい。  SPEChOで一度に5-20umの分光ができれば意義はある。 A:プランDでは、遠方3700時間、近傍3600時間、惑星・太陽系1000時間+  公募の天文台時間。充分冷えてからの本格的な総観測時間は2.5年。その後も  壊れなければ使い続けるだろう。 Q:感度はコンフュージョンをちゃんと考慮して計算しているのか?特に  口径が小さくなると効いてくる。 A:口径2mとなったときの計算もしている。早いタイムスケールで結果を示す  ことは可能。 Q:系外惑星の装置は日本でも昔提案されたが、重量制限でダメという話が  あったが。 A:SPEChOはヨーロッパの人々がやりたいと言っており、これまでの枠組みの  外の人がやろうとしている。全体に影響を与えない範囲でやるということに  なっている。 Q:重量は? A:昔の日本の提案が落ちた一番大きな理由は、重量というよりお金の問題。  SPEChOはEChOに比べずいぶん簡単な装置で重量は軽い。 Q:JWSTと同じ機能を載せることになって、落とされる理由をわざわざ  つくっているのでは? A:その通り。よく考えて判断しないといけない。昔のことを忘れている  わけではない。 Q:鏡面精度の問題もあったのでは? A:望遠鏡の姿勢の精度の問題もある。 Q:金属量ーダスト関係について。遠方銀河についても、これは同様に重要。  赤外のターゲット200個だと思ったときに、具体的にどうやるのか? A:持ち帰って検討。 Q:サンプル選定、最適化の検討は始まっている。 C:現時点では2mSPICAを支持すると決めた訳ではないが。以下、検討課題。  分光サーベイ 1平方度を隈無くやるのか?           どっかからサンプルをもってくるのか?    近傍銀河   空間分解して何をやる?    遠方銀河   撮像サーベイの具体化    系外惑星   SPEChOも含めて検討 == 上野講演 == *宇宙科学・探査ロードマップ・戦略的中型の考え方について C:大型計画という枠組みができる前の議論について。2000年前後は、色々  な分野の衛星が順番に回っていた(〜200億/プロジェクト)。  それではいかんということで大型の枠ができたが、結局やらなかった。  X線コミュニティは実現可能性を自分たちで判断できる人がやっているが、  それ以外の分野は無理。なので、宇宙研がそれをサポートしようと言う話。 Q:SPICAはロードマップにおける戦略的中型のNo2に対応するのか。 A:自明ではないが、中型No3に対応することになろう。その場合、No3の  中型の公募は出ないことになるだろう。 == 山田講演 == *WISHの戦略的中型応募について Q:WISH打ち上げの時期は、JWSTの稼働時期が主な理由か? A:JWSTに加えて、HSCなど可視広視野サーベイの後、もしくは同じ時期  である2020年代初頭がターゲット。 Q:JWSTで???が受かるのは何個? A:28等より明るい銀河(Z=10-12, 30000個)はほぼ全てJWSTで[OIII]が  受かる。Hβ,1909Åもある。 Q:何を明らかにするのか? A:再電離の電離源を明らかに。z=10くらいにできる初代銀河での星形成  を解明したい。 Q:光赤外にはTMTもあるが、人的リソースに余裕があるか?見通しは? A:この次の発表で議論したい。 A:すばるからTMTへの流れは当然として、スペースサイエンスにも広げて  行きたいということ。 Q:戦略的中型に出すことによる光赤外コミュニティの反応は? C:その話は後で。 Q:具体的に、どれくらいの人がどれくらい頑張ればよいのかイメージが  湧くとよいが。 C:相当数に上る。次の講演で数字を出す。 C:先ほどの打ち上げ時期で言うと、TMTとの関連が重要。JWSTへのアクセス  は日本は容易ではない。TMTへのターゲット提供という意義。 == 川端講演 ==  想定シナリオと年次プロファイル Q:WISH->SPICAの場合、JAXAスキームに載るか微妙というのはどういう  意味? A:戦略的中型は10年で全分野で3つというときに、光赤外から2つはない  だろうという意味。 Q:工程表に教員数とあるが、エンジニアも非常に重要。これらは人員には  含まれているのか? A:それも含めて常勤の職員数。 A:WISHの場合の人数は、MDRからSRR、SDRを見越す時間スケールでの体制表  というものを基にしている。 Q:「一人」という定義が難しい。エフォート50%で考えるべき。Astro-Hで  100人以上とか言っているときの人数と、整合性はとれているか? A:SPICAの人数はエフォートも一応考慮してある。 Q:SPICA、WISH両方やる場合は、SPICAの打ち上げ時期が重要。  SPICAを早く打ち上げる理由は? A:一番は、早く良いサイエンスがしたいということ。JWST,TMT,ALMAとの  相乗効果。自分たちから遅らせてくれと言うには大きな理由が必要。 C:国際協力の視点が抜けている。国際協力だと遅らせるのも難しい。  国際的な観点の戦略も必要。 ・議論(続き) C:もともとSPICAは2017-2018打ち上げを目指していたが、現実的にこう  なってしまったことは申し訳ない。しかしある意味では、各方面から支持  を受けるようになって、今我々としてはこれを受けて立てるかという問題。  コミュニティとしてできるかどうかを是非検討してほしい。 C:外からみると、光赤外はTMT、SPICA、WISHもあって、普通に考えればあり  えない。成功している高宇連に習う必要がある。Astro-H、小型など色々ある。 C:どういう体制が作れるかが問題。人員表に、人間の名前を具体的に書かな  ければ実現性が見えてこないのでは?JAXAやNAOJの人間はかなりの時間をそこ  に投入できるかもしれないが、大学の人間の場合は難しい。エフォート50%は  授業以外の全ての時間をそこに突っ込む事になる。現在の大学の状況は厳しい  ので、その辺りも考慮する必要がある。SPICAとWISHを両方やるとすると、TMT、  大学望遠鏡を含めてrestructureの必要がある。 C:最悪のシナリオは共倒れ。それを避けつつ、SPICAも不定要素がある中で、  片方に決める事は今はできない。とすると、とりあえず両方サポートする事  にしておくしかないのでは? C:SPICAがどうなるか分からないところで、WISHを捨てるのは危険。両方推  進する。両方上がったら素晴らしい。人的リソースなどは重要な境界条件と  は思うが、今後解決すればよいことで、この時点でそれをそこまで勘案しな  くてもよいのでは? C:この意見に同意。両方推進して、分野を盛り上げる。個人的には、両方  やってほしい。WISHは、日本主導でJWSTと対抗できる。これを今捨てるのは  もったいない。実現性は怪しいと思うが、今回両方出したとして、今後のセ  レクションで落ちる事があればやむを得ないが、出す段階では両方サポート  してほしい。自分は両方に全力で貢献したい。 Q:WISHとSPICAを両方やると言ったら、X線コミュニティから叩かれるので  は?そのネタを与えてしまう懸念。 C:戦略的中型に応募して選ばれたら失敗は許されない。これにその覚悟を  もってやるかということ。SPICAを捨ててもやるくらいでないと、WISHはそも  そも採択されない。SPICAが戦略的中型2に来たら破綻。 C:SPICAは、これからの戦略的中型とは同列ではない。同じ枠では応募し  ない。 Q:どうなったらSPICAは実現するのか? A:COSMIC VISIONの5に採択されるのが重要。他の分野との競争に勝てるも  のが出てこないとダメ。 C:人の勘定について、質も重要である。地上の人とスペースの人では  これが上がらなかったら終わり、といったような危機感で差がある。 C:昔は新しい波長の開拓だけでよかったが、これからはサイエンスがメイ  ン。3mならこれができる、2mならこれができる、という発想ではダメで、  これをやるんだというものが必要。 Q:今の話は、WISHの戦略的中型審査と、SPICAのM5審査に共通の話か? A:そうだ。 C:WISHは明らかに明確な目的があると思う。 C:SPICAは応募すれば自動的に採択されるという状況の中で、WISHが採択  されることはあるのか? C:他のプロポーザルとの兼ね合いなので、何とも言えない。戦略的中型  No3は、SPICAがCOSMIC VISION 5に採択されたら自動的にSPICAになるだろう。  中型No2は諸般の情勢から太陽系探査の可能性が高い。となると、天文分野  での純粋な競争は実質中型No1のみ。 C:両方やるなら相当な覚悟がいる。WISHが応募するならそれはやればよい。  光赤天連がサポートするなら、相当な覚悟がいる。本当に通ったら、個々人  が大学で進めているプロジェクトを捨ててでもやらなければならなくなる。  そこまでの覚悟がいる。この覚悟をするなら、ある程度人が見えていないと  厳しい。 C:判断の基準は、やはりサイエンス。魅力的なサイエンスがあれば、若い人  が入って来ると期待でき、多少人数などは楽観的でもよいかもしれないが。  それは責任者が責任をもって判断しなければならない。コアメンバーは50人  くらいでよい。人事公募したらそれに殺到するくらいの覚悟、人生かけて  やるくらいの覚悟が必要。 C:中型1に応募する他波長の計画は? C:Litebird, solar-c, ソーラーセイル, 火星探査 Q:SPICAの状況が不透明な中で、宇宙研の中で3月末までに本当に選定できる  のか? A:技術検討の結果によっては、大きく変わる可能性はある。そういう意味  で、今WISHを出さないと、両方実現しない可能性もある。宇宙研の中では、  何を判断するのか実はあまり決まっていない。 C:先日の説明会では、サイエンスがまず審査されるとのこと。一定の成立  性も審査される。それを踏まえて3月末までにダウンセレクションが行われる。  コミュニティの工程表の締め切りと整合しないのではないかと質問したが、  宇宙研からは、そのとおりであるという回答だった。 C:こういうプロジェクトの舵取りを間違えるとグループが消滅する。  WISHとSPICAの両立は現実的に難しいことを考えると、自分としては、既に  進んでいるSPICAを全力でサポートしたい。 C:両立を目指す場合、論理的に誰が見ても両立する案を示すか、SPICAの  バックアップとしてのWISHだが、後者はあり得ないので前者しかない。  とすると、SPICAを後ろにずらさざるを得ない。これでは世界から相手にされ  なくなる。 C:SPICAがダメだったときのことを考えると、WISHを出さなければならない。 C:先ほど人的リソースについて楽観的なことを言ったが、責任ある立場では  難しいのは分かった。WISHを出したいなら出せばという感じだと、間違いなく  落ちる。基本的に両方推すが、現在の状況を説明した上で、両方推す。ただし、  両立は難しいことをちゃんと書いた上で。 C:イプシロンロケットでX線から6件応募があった。Astro-Hが上がって大変  になったら取り下げると言っていて、それはアクセプタブルだと思う。SPICA  を最優先というなら、WISHを出すのもアクセプタブルではないか。 C:出すからには通すつもりで出さないとダメ。両立するということを示す  必要があり。どっちか決められないから両方出すというのはダメ。 C:X線コミュニティからみると、どうしてSPICAが採択されないのかは、  NAOJのサポートが得られていないからでは?SPICAが上がるときには、TMTの  人材を全てSPICAに投入するという総意を見せる、くらいのことが必要。であ  れば成立するかも。あと、WISHはWGにもなっているし、提案する義務もある。 C:人的リソースは、無いものは無い。名前まで出して、定量的に示さないと  ダメ。 C:この意見に同意。SPICAの打ち上げ年次をはっきり目標として言った方が  よい。 C:惑星科学の立場では、いつ観測できるが重要。それが分からないと、真剣  に考える気にならない。これを示せれば、分野の人を取り込めるだろう。  今メインの人はどんどんやめていくので、それ以上のスピードで人を増やさ  ないといけない。 C:NAOJとしては最優先はTMT。WISH、SPICAのことは考えられないし、人を出  せる保証は全くない。人的リソースについては、血判状とは言わないまでも、  ある程度名前を示さないと現実的なものにならない。 C:2020年代の覚悟のときも同じだったが、一貫したロードマップを描く事が  重要。TMTの次は100mを作るかと言ったらそれは難しいだろう。とすると、近  赤外で日本が次に作るのはJWSTを超えるスペース望遠鏡か。そのためにはWISH  はよい。ノウハウが蓄積できる。 C:組織図上で顔が見える必要がある。どれだけ天文学者がいるか。大学に関  わってもらうことは必要。エフォート20%とかをきちんとマネージメントするこ  とが重要。 C:仮にSPICAだけだったら、それまでの何年間も何もできない。大学院生と  かの人数も重要。個人的には、学部生の頃のあかりの打ち上げが印象的。若い  人を取り込むためにも、継続的にプロジェクトがあるようにしてほしい。 C:個人的にはWISHとSPICA両方できるとよい。両方それぞれで推進すること  にして、交流するなどして、実現できればよい。開発スケジュールが近いのが  問題で、現実的には難しいかもしれないが。SPICAとWISHは、それぞれお互い  を考えて最適化しているわけではないだろうから、その辺をもう少し考えては? C:戦略的中型を2つやるのは身の丈にあっていない。TMTもあるし。なのにや  ろうとするから計画が遅れる。若い人にとってもよくない。X線は、身の丈に  あったことをやっている。欧米と真っ向勝負していない。賢い戦略を考えないと  いけない。 C:WISHかSPICAか二者択一を迫るなら、サイエンスの観点で選ぶべき。SPICA  のプランDの検討が進んでいないとは思うが、個人的にはWISHが勝っていると思  う。これまでの経緯とか、体面とか、国際的な関係とかでなくサイエンス。  highest-zの研究者からは、WFIRSTよりもWISHだという意見がある。 C:根本的には同じ意見だが、実現可能なサイエンスで議論しないといけない。 C:WISHはニッチを目指しているわけではなく、すばるの広視野で世界をリー  ドしてきたものをさらに進めるという王道を目指している。人員については、  宇宙研のサポートなしには考えられない。SPICAのタイムラインを見極める  必要がある。 C:自分もWISHのWGに入っているが、戦略的中型に応募したらメンバーから抜  けることになる。現在の宇宙研の人員では、全員がSPICAに関わっているわけ  ではない。WISHを戦略的中型でやることになったら、全員がやらないと外に  対して説明ができない。 Q:現実的には両立は厳しいのでは。戦略的中型No3に応募しては? C:やりたいことをやりたいというばかりで、どちらを選ぶという厳しい意見 がない。それがないと、絶対通らない。 C:どうみても両立しない。外的要因でつぶれた場合は次のプロポーザルに出  せると思うが、自分たちでつぶれた場合は出せない。舵取りを間違えないように。 C:明らかに両立しないので、二者択一だろう。系外惑星についてはどちらも  フラット。国民に対する説明責任があり、国民からの視点も考えて真剣に議論  しなければいけない。 C:個人的には、両方ぜひやりたい。若者は自分の10年後の先も見えない。  少しでも早く成果を上げたいと思う。WISHは早い。SPICAは遅い。早いものに  飛びつきたい心理が働く。WISHは遅れないか? C:提案する時は遅れない事を目指して出す。WISHの小型化は考えていない。  小型化ではサイエンス要求を満たさないので、出さない。 C:SPICAが難しいのは極低温のミッションであるという事情があった。WISH  は、スペースミッションの経験のない者が中心という事情がある。現在のスケ  ジュールはチャレンジングだが不可能ではない。WISHチームとしては、二者択一  論は避けたい。WISHを提案したときからSPICAがあったが、強いサイエンス要求  からそれでもなおということでやってきた。両立させるなら、SPICAを遅らせる  ことはできないか?それをお願いするしかない。 C:光赤天連の活動として2020年代の天文学の活動の中で、今後の将来を議論  したとき、銀河サイエンスの人では、WISHを推す意見が多かった。 C:SPICAがこけると、WISH、JASMINEがなくなる。SPICAを無くすには、うま  いこと考えないといけない。今回はSPICAを推すことにしておいて、それが遅れ  た場合には、責任をもってスペースのコミュニティを支援すると約束する。その  上で、WISHを中型No3に出しては? C:今回WISHを提案するなら、SPICAと両立させるか、SPICAを諦めるしかないの  では?SPICAはマンパワーが足りないと言われてる中で、WISHが出たらどうなる? C:この意見に反論。光天連の姿勢として、こっちがどうだったらどうとかいうこ  とではなく、どちらがよいのかということで出すのが科学者の姿勢ではないか。 C:個人的意見。光天連として責任ある行動をしないといけない。現時点で両  立させるなら覚悟が必要だが、マンパワー的に厳しいのが現状。光天連として  はどちらかを選ぶのがよい。まずはサイエンスと、feasibility(技術的、政治的)  を含めて。それらを考慮すると、SPICAを推すのがよいのではないか。SPICAが  ポシャったら、中型No3に出せばよい。 C:現状の運営委員会は、スペースに適したものではない。別の委員会を作り  たい。ビジョン・工程表策定委員会。 Q:この委員会で決まった工程表をもう一度光天連で議論する機会はほぼない  と思うので、その委員会に任せるということになるのか? A:そうだ。 Q:タイムスケールは? A:本格的には12月から1月半ば。SPICAがある程度見えてきてから。 C:後に引けない状況。決断しなければいけない、ということを共有できたと思う。 C:地上大プロジェクト関係者も。合わせて10名くらいか。 C:X線関係者が入ってもよいか 高所大所からの意見という点で C:光赤外分野で責任をもって議論すべき C:他分野からの意見も必要に応じて取り入れる。 == 多波長連携 == C:光天連ロードマップに、多波長連携、分野融合でなければ成し遂げられな  いようなサイエンスの重要性を明記できるとよい。他コミュニティと議論でき  るような委員会を形成したい。光天連の最終的なロードマップに入れて欲しい。