セッション2:地上班報告および関連状況 議論メモ 土居:4章と5章を入れ替えてはどうか。スペースについて触れるのであれば先に  出てきていた方が書きやすい。地上のまとめは後ろに持ってくる。 松原:4.2節は、4.3節以降を読まなくてもある程度分かるような内容というつも  りでおいている。 川端:4章と5章の順番は変えなくてよいのでは。それぞれのプロジェクトの中で  も他のプロジェクトを多少参照しているので、それらを整理したものを全体と  して6章におくというのでどうか。 吉田道:構成は現案でよさそう。サイエンスは膨大なので、簡単なサマリーが最  初の方に必要では。前回のは細かいところと全体のバランスが悪かった。細か  いところはさほど分量がないのに、まとめが10ページもあった。今回はまとめ  が10ページくらいあってもよいだろう。部門長にそれぞれの部門のまとめを書  いてもらう。 谷口:将来計画だと、現在どういうサイエンスが重要だと思っているかが重要で、  現状の章構成はナンセンス。序章はいらない。来し方もいらない。 川端:ある程度歴史をみてもらうことも必要という認識でこうなっている。 谷口:これは誰にみてもらうのか? 松原:天文台、宇宙研執行部、学術会議メンバー等。3章以降が重要。1、2章は  ほぼ無いに等しい。 谷口:自分たちが満足するための書類に見える。外部に見せるには、最初の数  ページが重要。 松原:Executive summaryは作る。英語でも作る。従来の流れを踏襲していて、  前回の流れにのっとっているのでこうなっているが、2章等はなくてもよいか  もしれない。 土居:2章は4、5章のための前置き。4、5章に分けても入れてもよいかもしれな い。プロジェクトは将来ばかり書いても具合が悪い。 谷口:200ページあっても誰も読まない。大部分は別本にして、サマリーの日本  語だけあれば報告書としては十分では。 川端:報告書としてはどうするのが効果的かを考えて、もう少し構成内容を検討  していただく。 松原:前回の編集委員の本原さんがいないが、当時の趣旨を確認したい。 児玉:前回はTMTとSPICAを光赤天連で推すというのがあった。これを念頭にお  いて報告書を書いた。中小規模と大規模プロジェクトを整理する文書にしよう  というのが今回の趣旨だと思う。コミュニティの順位付けは難しいが、プロ  ジェクトの相互の関連などを明らかにするのが重要だと思う。SPICAを推すの  も重要だとは思うが。当初目的と少しずれているような気がする。当初の目的  通り大規模と中小規模の関係に焦点を当ててまとめるのか、SPICAを推すことを  全面に出すのか、もう少し目的をはっきりさせた方がよいのでは。 松原:重要な指摘をいただいた。報告書の構成について、他に何か意見は?  たとえば、歴史的経緯は4、5章に分割挿入して2章は消滅。いきなりサイエン  スに入るというイメージでどうか。 金田:すばる、大学間連携など、現在うまく動いているシステムについては重点  的に書いて、それを認めてもらう必要がある。大学間連携を基盤として、土居  さんのスライドのピラミッド構造にもっていくような書き方がよい。 松原:サイエンスについては他に意見はなさそう。全体の章立てについては編集  委員で見直す。事務局で現案作成。 金田:地上やスペースのプロジェクトの全体的な進め方(人材、ストラテジー等)  は6章に書かれるべき。 土居:スペースの計画は7、8個あるので、これらの名前が地上のところに沢山出  てくると書きにくい。サイエンスdrivenで6章をまとめられるとよい。 松原:3章でスペースとの連携は多少書くが、本格的に書くのは6章。 ----------------- 川端:この中にはすばるを2030年代にやらなくてもよいと考える人はいないと思  うが、お役人にはTMTが動いたらすばるはシャットダウンと考えている偉い人も  多い。すばるを使い続けるには、もっときちんと考えていかなければならない。 松原:2030年以降すばるを使い続けるためのアイディアをお持ちの方は? 児玉:サイエンス班はそういうことを考えているのでは? 海老塚:カミオカンデを建設した時には暗黒物質の探査が目的ではなかったが、  カミオカンデを改造して、カムランドとして現在は暗黒物質探査を行っている。  (発言者後注:暗黒物質探査を行っているのはカムランド近隣のXMASSで、  カムランド自身は地球の熱生成モデルの検証が主目的)  すばる望遠鏡も基本性能が高いので、将来的にも最新の装置として改造され、  継続して運用されると思う。 谷口:今は2030年以降もすばるが続くという前提で議論が進められている。確か  に、すばるは8mクラスとしては極めて優れているので、今後も良い成果を出し  続けていくことが期待される。しかし、TMT時代を迎え、突然デコミッション  される可能性があることも考慮しておかなければならない。ただ、我々がアピ  ールすべきことは、すばるはKeckや Gemini (将来的にはHSTと)の観測時間交  換が行われている国際天文台としての役割を持ち始めていることである。この  点を、是非とも、文科省や国民の皆さんに理解してもらいたい。具体的には、  KeckやGeminiとの協働で、国際天文台戦略を展開していくことが一つの有効な  方法になるであろう。 吉田道:文科省からは東アジアとの連携が言われている。Keck、Geminiからの一  筆は賛同するが、東アジアとのコラボレーションは役人には受けがいい。なん  らかの形でよそのお金を入れる必要。こういったコラボレーションは考える必  要がある。2030年代にTMTしかなかったら大変なことになる。TMTだけでやって  いけるか。どうやってTMTを支えるか。いろんなものを積み上げて形にして、  という観点が必要。そういう点で全体構想を書く必要がある。すばるについて  言えば、例えばタイムドメインに移行すれば全く新しいことができるのでは。 高田:すばるとTMTの共存はコミュニティが戦略をもって強調していく必要がある。  例えば、素粒子のニュートリノ実験は1980年代の神岡から始まり、今も脈々と  続き、さらにHyper Kamiokandeに繋げようとしている。彼らは各段階で大きな  成果をきちんと挙げているので、説得力がある。すばるで確実に成果を挙げ、  またすばるとTMT、さらにSPICAとのサイエンスでの連携を強調し続ける必要が  ある。国際競争力を考えると、すばるのサーベイとしての役割への方向転換は  筋が良いと思う。 臼田:大学共同利用機関である国立天文台が運用するTMTやすばるが大学の研究  者・学生にとっていかに重要で必要であるのかを言ってほしい。ピラミッドの  構図は判りやすいが、望遠鏡の数が全体的に多くなると、TMTやすばるが必要  であるという論理や説得力が弱くなってしまう。 早野:この10年で解決ずべき10の天文学の問題といったことを欧米が適宜設定  しているように、多く挙げられたサイエンスのなかから、重要なサイエンス  テーマの本質を選び出して、その大きな問いに対し、望遠鏡計画、衛星計画  を含めてどのように解決していくのかを記述したほうがよい。サイエンス  テーマの羅列よりも効果的。 児玉:2030年というとTMTが共同利用を開始して数年後。すばるの頃を考えれば、  4m級もたくさん動いていた時代に対応するのでは。従ってすばるはまだまだ  現役である。今回の報告書はTMTとすばるを並立にしてもよいのでは。 臼田:30mの時代の8mと、8m時代の4mとは運用コストは全然違うので、4m級と同  様に8m級の望遠鏡もたくさん動くのは難しい。 児玉:EAOとか国際協力とかそういう可能性をロードマップに書けばよいのでは。 松原:国際協力分担が当たり前の時代。東アジア以外の国との協力の可能性も書  けるのでは。 (敬称略) (記録係:佐藤文衛 改訂:川端)