以下では、IRAF V.2.15 以降のインストールを想定します。前のバージョンの場合、インストール方法が異なりますので、注意してください。
(シャープで始まるコマンドは、ルートで実行します。)
Cシェルがインストールされているかどうかを確認
% which csh
ここで、見つからない、というメッセージが出たら、インストールします。csh が存在するパスが表示されれば、すでにインストールされています。
インストールには、Fedora や CentOS などの場合は yum, Debian や Ubuntu の場合は apt-get コマンドを使用すると簡単です。
Fedora等 → # yum install tcsh
Ubuntu等 → % sudo apt-get install tcsh
# mkdir /iraf
# mkdir /iraf/iraf
# useradd -d /iraf/iraf/local -m -s /bin/csh iraf
OS のメニューから、グラフィカルな設定画面でユーザーを作ることもできます。ユーザー名:iraf, ログインディレクトリ:/iraf/iraf/local, ログインシェル:/bin/csh (もしくは C シェルが存在するパス)になるように設定します。
# cd /iraf/iraf
# tar zxvf iraf.lnux.x86_64.tar.gz
ディレクトリの所有者を iraf にしておきます。
#chown -R iraf /iraf
# cd /iraf/iraf/unix/hlib (もしまだ csh になっていなければ、インストール前に # csh)
# ./install
インストール中にいくつか質問されます。"Configure IRAF Networking on this machine?" に対しては no、その他の質問には、何も考えず Enter キーを押し続けます。 問題がなければ、最後にインストールが成功した旨のメッセージが出ます。
<インストールの問題点>
Feora 32-bit 版の場合、./install を実行すると、適切なディレクトリがないよ、と怒られることがあります。その場合は、以下のようにシンボリックリンクを貼ってから、再度 ./install を試みます。
# cd /iraf/iraf/
# ln -s bin.linux bin.redhat
# cd /iraf/iraf/noao
# ln -s bin.linux bin.redhat
<ソフトの問題点>
IRAF 2.15.1a の 64-bit 版で、整数型のデータをうまく扱えないようです(fits ヘッダの BITPIX で確認)。具体的にはサブピクセルの移動等で補間を必要とする際に (imshift, geotran, imedit等)、結果の画像のデータがストライプ状になってしまう(ビューワーの問題ではない)ようです。対処療法としては、値を float にしてしまう、という手があります。fits を読んで値自体を float で(double でもいいでしょうが、ファイルサイズは大きくなります)書き直してもいいですし、IRAF/imar で 1.0 を掛けてもいいです。Ubuntu では確認していないですが、少なくとも 2.14 を 64-bit で使った場合は問題ないようです。(2012年3月)
→IRAF 2.16 ではこの問題は解消されたようです。(2012年4月)
# su
# mkidr /iraf/iraf/x11iraf
IRAF の本家のサイトから必要なファイルをダウンロードします。ここでは Fedora 用に x11iraf-v2.0BETA-bin.redhat.tar.gz を /iraf/iraf/x11iraf に落としてきたとします。
# cd /iraf/iraf/x11iraf/
# tar zxvf x11iraf-v2.0BETA-bin.redhat.tar.gz
# yum install libXmu.so.6 libncurses.so.5
# ./install
ちなみに、xgterm にスクロールバーをつけたい場合は、% xgterm -sb とします。
ここでは 64-bit 用に Linux64 のリンクから ds9.linux64.6.2.tar.gz をダウンロードしたとします。ダウンロード先はどこでもいいです。
# mv ds9 /usr/local/bin
<インストールの問題点>
ds9 を立ち上げようとすると、libXss がないよ、と怒られる場合、インストールします。
Fedora では、yum でインストールしてもだめな場合があるそうです。こちらのリンクからパッケージを取ってきて、インストールしてください:32-bit用, 64-bit用
こちらのサイト(東北大Akhlaghiさんのページ)を参考にさせていただきました。
基本的には Fedora と同様ですが、Ubuntu の場合は便利なインストール用 iso が存在するようです。STSDAS, TABLES なども一緒にインストールされます(IRAFのバージョンは 2.14.1)。X11IRAF, DS9, PyRAF も入ります。32-bit でも 64-bit でも問題なく動きます。
インストールは、上記の iso ファイルを CD に焼く→ Ubuntu で中身を見ると README があるので、読む → その通りにコマンドを打ってインストール、で終了です。
% sudo -s
% su
# su install.sh
IRAF を初めて使用するときは、最初におまじない (mkiraf) が必要です。また、毎回 IRAF をどのディレクトリから起動するかを、あらかじめ決めておくのがおすすめです。というのも、起動したディレクトリに、IRAF の様々なタスクのパラメータが保存されるからです。次回以降も同じパラメータ設定を使いたいなら、同じディレクトリから起動するようにします。
% mkiraf
すると、どの種類のターミナルを使用するか尋ねられますので、xgterm と入力してください。
set stdimage = imt1024
set imtype = "fits"
IRAF が立ち上がり、ecl> や vocl> といったプロンプトが出ます(IRAF バージョンによって異なります)。
ここから解析のスタートです。下にある初心者向け資料などを参考にしてください。
なお、終了するときは
ecl> logout
です。